子犬育てはチャレンジングなものですが、とりわけ「なんでも噛みたい時期」の子犬に対処するのは大変かつ難しいものです。
子犬の歯から成犬の歯に変わる生え変わりの時期は魔の期間。子犬は、むず痒さや不快感から、ありとあらゆるものを噛み噛みし、ありとあらゆるものを破壊し続けます。
犬の歯の生え変わり
子犬は、生後2週ほどの早い時期から歯が生え始め、8週目くらいまでに28本全てが生え揃うと言われています。この時期はまだブリーダーのところで兄弟姉妹犬とガブガブしているはずですから、一般の飼い主さんが乳歯が生える時期を目にすることはないでしょう。問題となるのは、歯の生え変わり期ということになります。
あなたのところにやってきた子犬の口には、小さな可愛い歯が28本あるはずです。この歯は人間と同じように、大人の歯に生え変わります。生え変わりは3ヶ月齢ごろからはじまり、42本が生え揃うのは約7ヶ月齢のころです。人間の歯28本(親知らずを含めても32本)より10本以上多く生える計算です。
歯の生え変わり時期は、子犬にとっても苦痛なもので、人でいう”歯ぐずり”を起こします。
犬だって生え変わり時期は苦しいの!
子犬がなんでも噛み噛みする”破壊王”になるのは、犬のお口の中が痛かったり違和感があったりするからです。例えばたとえば、こんなことことに苦しみます。
- 歯が生える際に歯茎が赤く炎症を起こしたり、腫れて痛む
- 新しい歯が歯茎を押し上げ、刺激される
- 乳歯が抜けたところが出血する
- 微熱が出る
このときの犬には、こんな様子がみられます。
- オモチャに血がついている
- 食欲が減退し、ゆっくりとしか食べられない
- (品種によって異なる)よだれが出たり、口の中が水っぽくなる
- 注意散漫になる、鳴き声、興奮しやすい
飼い主は子犬の破壊行為に頭を悩ませるかもしれませんが、子犬たちも何やらイラつく不快感に悩んでいます。この時期の飼い主は家具を守る対策と共に、愛犬の苦しさを緩和する対策を取らなければなりません。
苦しい生え変わり期にできること
幸いなことに、この苦しい時期はそう長くは続きません。3ヶ月から4ヶ月を乗り切ることができれば、子犬はひとつ大人になって落ち着きはじめるものです。
この時期にできるのは、噛んでも良いものを与え、噛んではならないものを遠ざけることです。「いいこと」と「悪いこと」を教える良い機会にもなりますので、真剣に子犬に向き合ってみましょう。
・子犬用のオモチャを与える
年齢に合った噛むためのオモチャを与えましょう。子犬用の噛み噛みオモチャは、子犬のお口に合った小さいサイズで、より柔らかく、しつこい攻撃に耐えうる耐久性が必要です。
・環境を整える
大事な家具やモノを噛まれても、怒鳴ったり体罰を与えるのは絶対にNGです。噛まれては嫌なもの(あるいは危険なもの)は肉球の届かないところに移動させましょう。行動範囲を制限することも大切です。ケージやゲートなどを使って、犬の噛み噛みターゲットになりそうなものとは距離を作りましょう。
・健康的な食事を取り入れる
新しい歯が生える時期はとりわけ、歯の成長を助けるための適切な栄養補給が必要です。いま一度、子犬用の食事を取り入れているかを確認しましょう。
・獣医師のチェックを受ける
乳歯が全て抜けて成犬の歯に生え変わったかどうか、正しい噛み合わせになっているか、歯茎の炎症が治ったかなどを、獣医師にもチェックしてもらいましょう。ほとんどの犬は3歳までにお口のトラブルを起こすと言われています。早いうちからお口ケアに取りかかれるよう、色々と教えてもらいましょう!
子犬の噛み噛み期は、愛犬にとっても飼い主さんにとっても苦しい時期です。ただ、長く続くものではありませんから、被害を少なくするために、そして事故がないようにするためにも、より良い環境に整えてしっかり見守ってあげましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Puppy Teething and Nipping; A Complete Survival Guide – American Kennel Club
[2] 3 Tips for Avoiding Puppy Teething Issues | Hill’s Pet