マージョリー・ストーンマン・ダグラス高校のイヤーブックに、14匹のセラピードッグが掲載されました。学生や教師、スタッフなどの写真に混ざって、14匹のフカフカの笑顔が並んでいます。
犬たちは、2018年2月に起きた銃乱射事件の後に、生徒や教職員を癒すために採用されたセラピードッグ。生徒たちと握手をし、時には膝に乗ったりして、みんなの支えとなってきました。
イヤーブックの編集長である17歳のCaitlynn Tibbetts氏は、「本年度版について私たちは、過去にフォーカスしすぎるのではなく、学校と私たち自身の「今」を適切に表現したいと思っていました。セラピードッグたちもは「今」を構成する一つです。昨年から常に変わらずにいてくれるポジティブな存在です」と語っています。
2018年2月14日、高校を退学処分とされていた19歳の元生徒が校内に侵入し、生徒などに向けてライフルを乱射。生徒14人と教職員3人が犠牲となりました。
事件から約2週間の2月28日。生徒たちを迎えたのは懐かしい校舎、教員やスタッフ、そして4本脚の犬たちでした。
This was just one of many photos taken today! Thanks to the therapy dogs; they have been a major source of healing for my Eagles!🦅🦅 pic.twitter.com/s6pRKDEuAq
— Principal Thompson (@PrincipalMSD) 2018年2月28日
犬たちは全て、地元の愛護協会などから派遣された認定セラピードッグ。Ty Thompson校長は生徒たちのために、多いときは27匹もの犬を受け入れました。
犬を派遣するHumane SocietyのMarni Bellavia氏は「動物から愛情を受けることは、このような困難な時期には安心の源になります」と語っています。犬たちはクラスに参加し、たくさんの友達をつくり、生徒たちに愛情をたくさんプレゼントしました。
事件から1年が経過。この間、さまざまな変化がありました。2019年3月には生徒2名の自殺。校長の辞任。他の学校での銃乱射事件。犬たちは何があっても変わらずに、生徒たちと共にいました。
Including the therapy/service dogs in the yearbook is the best decision we’ve made so far like this one dog had a bowtie and my heart 😭💗💕 pic.twitter.com/ecP9X01wqD
— natasha (@sighnatasha) 2018年10月4日
「犬たちの写真をイヤーブックに載せることで、私たちは、学校と私たちが経験したことをよりよく表せると思いました。私たちは毎日、彼らに会うのを楽しみにしていました」
Just a few of the puppies who took pictures today… Grace, Emma & Chief were so happy to be included in the yearbook. pic.twitter.com/GYeSgyhMcv
— Aerie Yearbook (@AerieYearbook) 2018年10月3日
イヤーブックをつくるうえで生徒たちがこだわったのは、それを「お祝い(celebration)」にすることでした。色は明るく、フォントは美しく。犠牲になった生徒へのトリビュートとして、記念写真や思い出のストーリーの断片を全体に盛り込むようにしたそうです。
事件について思い出すのは、まだ辛い生徒や関係者もいることでしょう。イヤーブックを開けることすらできない生徒もいるかもしれません。彼らが開く最初のページが、フワフワ笑顔が並んだページでありますようにと願わずにはいられません。
Featured image credit@AerieYearbook – twitter