愛犬の尿は、彼らの健康のバロメーター。私たちの目には入らない、身体の中で秘めやかに進行している問題も、オシッコには現れてくるものです。
尿の異常は様々な病気の兆候です。免疫系の病気から感染症、そして泌尿器系の問題が隠れているかもしれません。
見逃さないで、こんな尿サイン
毎日見ている犬のオシッコ。いつもと違っていることはありませんか?以下のようなサインが見れらたら、尿路または膀胱などに重大な問題があることを示している可能性があります。
- 尿の色、量、臭いがいつもと違う
- 排尿回数が増える
- 尿が出にくい、量が極めて少ない
- 尿に血液が混ざる、または尿が黒っぽい
- 排尿時に緊張する、鳴き声をあげる
- 尿道の開口部(おしっこが出るところ)を舐め続ける
- 突然お漏らしする
- 嘔吐、嗜眠(しみん:半ば眠ったような状態で、刺激に対する反応も鈍い)、食欲不振
- 水を異常に飲む(体重あたり100ml以上飲むワンコは”飲みすぎ注意”)
明らかに様子がおかしいのであれば、念のために写真や尿サンプルを取っておくと良いでしょう(日時を記録すること)。早めに動物病院に電話をして指示を仰ぎましょう。
尿の異常から考えられる病気
尿に現れる異常は、愛犬の身体の不調をあらわすサインです。考えられる病気に以下のものがありますが、このリストは全てを網羅したものではありません。愛犬が泌尿器系の問題を抱えていると思われる場合は、早めに獣医師の診察と治療を受けましょう。
・尿路感染
細菌性尿路感染症は、メスに圧倒的に多いものですが、どの犬でも発症する可能性があります。膀胱炎などは比較的日常的ですが、最近が尿の流れに乗って腎臓まで入り込んでしまった場合は入院を要する深刻な事態になり得ます。
・尿路結石症
尿路結石症は、尿路(腎臓、尿管、膀胱、尿道)のどこかに小さな石ができる病気です。石が身体を刺激したり、尿管や尿道などに詰まったりすることで、排尿が困難になります。特定の食物を与えたり、尿酸性化剤を与えることで分解できる石(ストラバイト結石)もありますが、その他の石(シュウ酸カルシウムなど)は手術が必要になります。
・膀胱ガン(膀胱腫瘍)
膀胱に悪性腫瘍ができることで、他の膀胱の病気と症状が似ていることから発見が難しいと言われています。治療については手術が一般的です。
・腎不全
急性と慢性とがあり、どちらも老廃物や毒素を排出する腎臓の機能低下により引き起こされます。腎不全を発症した犬は水を多く飲んで頻繁に排尿したり、逆に排尿を全くしないなど、排尿行動に異常が見られます。
・子宮蓄膿症
子宮の中で感染が成立し、膿がたまる病気です。オリモノ(膿汁)が外陰部から排出されたり、食欲不振、多飲、多尿などの症状があります。避妊を行なっていない雌犬は6~7歳ごろから発症リスクが高まります。
・クッシング病
クッシング病とは、副腎皮質から分泌されるコルチゾールというホルモンが過剰になって引き起こされる内分泌疾患。多飲、多尿、腹部膨満が起こり、脱毛や毛色の悪化などの症状もあります。
・糖尿病
糖尿病の典型的な症状に、頻繁に排尿することや喉の渇きがあります。糖尿病は、人間のそれと同じく様々な症状を引き起こすものです。早期発見のために、定期的に水分の摂取量を確認すると良いでしょう。
・尿失禁
尿失禁は、避妊手術後のメス犬で見られますが、いずれの犬も発症し得る病気です。これは通常、尿道活性筋の制御を行うホルモンが欠乏することによって引き起こされると考えられていますが、身体の構造上の問題や神経学的な問題も関与しているという意見もあります。
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【犬の謎】なぜ犬は逆立ちしてオシッコをするのか? | the WOOF イヌメディア
犬のオシッコといえば、電柱に向かって片脚をあげるスタイルのイメージがありますよね。しかし犬たちはこのポーズに限らず、様々なスタイルで排尿をするのです。 愛犬のオシッコを観察したことがあれば、彼らが様々なポジションを取ることに気がつくと思います。