【犬語翻訳家】唸る、吠える、クンクン鳴く〜犬の’声’からわかること

生態・行動
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「言ってくれないと、わからないよ〜」

意思疎通が上手にできない時、愛犬に話しかけてしまうことはありませんか?

もし、彼らが言葉を持っていれば、意図するところの理解は簡単。しかし現状では、彼らのコトバを私たちは理解できません。その「ワンワン」は嬉しいの?それとも迷惑で「ワンワンワン」?可愛い愛犬のキモチを理解したい私たちは、もどかしさに唇を噛みこう思います–「ああ、少しでも犬語が理解できれば!」

今日はそんなアナタと共に、犬たちの’音によるコミュニケーション’に迫ってみます。ワンワン、キャンキャン、クーンクン…彼らは一体、何が言いたいのでしょうか。

吠える〜ワンワンワン!

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image by Tom / Flickr

吠える(ワンワン、バウバウ)行為は、選択的交配の結果として家畜化された犬に備わったものだと言われています。人間たちがイヌに求めた「警戒」「知らせる」役目を果たすために、吠える犬を選んで交配させてきたのです。

犬は興奮した時に、短く鋭い鳴き声をあげます。高いトーンで短く鋭く吠えるのは、ご挨拶(喜び)。家に戻った時に足にまとわりついてきて、興奮した感じでひと吠えするのはこうした意味です。他の犬との遊びの時も、興奮して思わず…という感じの声が出たら嬉しい気持ちを表しているのでしょう。

孤独や不安を感じている犬は、甲高い声で繰り返し吠えます。動揺の度合いが上がれば、トーンが上がります。警戒の吠えは、短く、テンポが速いものです。要求吠えは鋭く執拗に、要求を聞かせたい対象に向けて行われます。

「なんだろう?」と疑問や疑いを感じた時は、低いトーンでゆっくりと、恐怖を感じた時は低いトーンで早く吠えます。

唸る〜ガルルルルゥ

ガルルルルゥ〜という唸り声は、一般的に考えられるイメージの通り、相手に脅威や敵意を表す意図で発せられる声。牙をむき出し唸り声を発しているようなら、かなり危険な状態にあります(落ち着かせる、威嚇の対象から離すなど、対策をとりましょう)。ただし、子犬が家族犬との遊びの中で唸るのは、家族犬を威嚇しているわけではなく、’犬である’ことを学んでいるものと解釈して差し支えないでしょう。

犬たちは、遊びの中でも唸り声を上げることがあります。引っ張りっこ遊びは、唸り声と共にあると言って良い遊び。遊びに集中しているが故に出る声ですが、執拗すぎたり攻撃的になりすぎていると思った時は、一度休みを取って興奮を冷ましてみましょう。

気持ち良い時にグルルルル〜と唸り声に似た音を発するコもいます。犬種としてはロットワイラーが有名で、遊びやナデナデの時に「気持ちええわ〜」と幸せを表します(動画)。

甲高い声で吠える〜キャンキャン

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image by outlan2000 / Flickr

遊びの時に、他の犬を強く噛んでしまった時も、哀れっぽい声をあげます。また、犬によっては、大きな喜びを表したい時にちょっと高めのトーンで柔らかくクンクンと声を上げることもあります。ペロペロや飛びつき、短い吠え声と共にクンク〜ンの声がしたなら、「嬉しいよ」という気持ちの表れです。

ただ、痛みを感じている時もこの声を出すことがあるので、心配な時は様子を観察するようにしましょうね。

哀れっぽい鳴き声〜クンクン…

「そんな声を出さないで…」と悲しい気持ちにさせられるクンクンク〜ンという鳴き声は、犬が自分に注意を向けたい時に発する音。犬たちは、この声を出すと人間が自分に注意を向けてくれる、気持ち良いことをしてくれると学習し、習得したと言われています。「これをやれば、飼い主さんが振り向いてくれる」と、多少のわがままが入っていることもありますが、実際にストレスを感じている時もクンクンと鳴き声を上げることがありますので、無視し続けることのないようにご注意を。

遠吠え〜オオオォーン

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image by Matt Elsberry / Flickr

オオカミが、自分が自分であると周りに知らせるために行うのが遠吠え。オオカミはそれぞれ、異なる’吠え’を持っているそうで(トーンやリズム、ピッチが異なる)、オオカミは遠吠えで個体をするのだとか。これは私たちが相手が誰であるかを声により認識するのと似ています。

犬もオオカミのように、遠吠えをします。とりわけハスキーやマラミュートなど北方の犬は、遠吠えすることで知られています。お留守番の時に「おおオオェーン」と大きな声を上げるのは孤独からという説が有力。家族や仲間を求めて声をあげます。また、他の犬の声に共鳴することもしばしばで、犬によってはデュエットを楽しむこともあるようです。家族や友達と遠吠えをするときは、喜びを表現しています。

Featured image credit Jo Christian Oterhals / Flickr

【ネットが繋ぐ犬の絆】だって吠えちゃうの!他の犬の咆哮に応じてしまう犬たち | the WOOF

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