【光の中へ】3年を暗闇の中で過ごした’囚われの犬’、無事に救出される(ロシア)

動物愛護・保護
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虐待により建物間の隙間に追いやられた子犬が、動物愛護団体により救助されました。絶望の3年間を生き抜いた犬は、暖かい人たちに支えられ、新たな犬生を歩み始めようとしています。


ロシアの都市、ハバロフスク。この地でひどい虐待行為が行われたのは3年前のことでした。心無い人が子犬を痛めつけたうえ、アパートと店舗間の隙間に押し込めてしまったのです。近所の住民が出てくるように促しても、恐れをなした子犬は救いの手を拒み続け、どんどん奥に入り込んでしまいます。行政に助けを求めても回答はなく、住宅管理会社や店舗オーナーも、何のアクションも起こしてはくれませんでした。

ハバロフスクは、人口50万以上の都市の中では最も寒い都市の一つ。最も寒い1月の平均気温は-19.8度で、零下30度を下回ることも珍しくないそうです。寒い時期には悲しい犬の鳴き声が響きわたったそうですが住民たちに成す術はなく、ただ毎日、水と食餌を与え続けていたのだそうです。

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image by The Siberian Times

事態が一転したのは、アパートに新しい住人が越してきたとき。この話を聞きつけた新住人はひどくショックを受け、すぐさま行動を起こします。メディアに呼びかけ、子犬のストーリーを拡散したのです。救いを求める声は動物愛護団体にまで届き、救助プロジェクトが発足。しかし救助は軟膏を極めました。壁の隙間はあまりにも狭く、成犬となった犬がくぐり抜けることは不可能だったのです。

犬が過ごしていたスペースが極めて狭小だったことも、救助の難易度を引き上げていました。壁を打ち壊し犬を捕まえるのが最も確実な方法でしたが、このやり方だと犬を傷つけてしまう恐れがあるため採用ができません。このため、打ち壊しは最小限に抑えて隙間を広げ、その隙間に職員が潜り込んでロープを使って犬を捕獲することになりました。

救助のために、暗くて狭い隙間に潜り込んだStepantsova氏は、The Siberian Times紙にこう語っています。「中に入って、犬の首にロープを巻きつけて引っ張り出せば良いものと考えていました。でも、中に入ってみて、びっくりしました。何年もそこで暮らしてきた犬は、その中にトンネルを掘っていたのです。最初は、彼女のことを捕まえるのは絶対に無理だと思いました」

「彼女は、私の手が届かない場所に潜り込んでいました。彼女を救うためには、私も掘り続けるしかなかったのです。どんどん近づいて、彼女の頭にロープをかけ、マズルを覆いました。もう、ダメだ、本当に出られないと思いました。でも、なんとか、犬を連れて這い出す事が出来ました」

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image by The Siberian Times

救出された犬は、非常に幸運なことに「基本的には健康である」とのこと。「シャトー・ディフの囚人(モンテクリスト伯の舞台となった場所)」というあだ名をつけられた犬は、ようやく日の光のもとに戻ってくることが出来ました。

しかし、彼女は未だに人間を、そして広いスペースと光を恐れているそうです。常に潜り込めるスペースを探して影に隠れようとしています。Volya(ロシア語で「自由」の意味)と名付けられた犬には、新しい環境に慣れるための時間と愛情がたっぷりと必要なようです。

Screen capture from Dog in the gap pulling the dog out / YouTube

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