犬の唸り声〜なぜ犬は恐ろしい声をあげるのか

生態・行動
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多くの犬の飼い主は、犬の唸り声の意味を知っています。そして、唸り声が良からぬ結果に繋がることを想像し「唸らないで」「我慢して」と願うでしょう。

唸り声はあなたへの情報共有

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image by smerikal / Flickr

犬の唸り声は、コミュニケーションの一形態です。犬は自分が怖かったり、嫌だったり、不快を感じたときは、身体や声を使って私たち(あるいは相手)に伝えてきます。

唸り声は、攻撃の最初の兆候でもあります。時間の経過とともに、エスカレートすると考えましょう。最善の対処法は、犬を唸っている対象から離すことです。

犬が唸り声をあげたら、愛犬が早めに情報共有をしてくれていると考え、そのSOSに応えてあげましょう。まずはその場から犬を唸り声の原因になるものから遠ざけることを優先することです。そこで何かを強制したり、矯正しようとするのは悪手です。

犬が唸り声をあげる原因は様々にある

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恐怖:いうまでもないことですが、犬は恐怖を感じると、唸り声をあげます。犬は言葉で「近づくんじゃないぞ」と言っています。

所有制攻撃行動:自分のモノに対しての脅威を感じた時、犬は唸り声をあげます。「これは私のものだよ。一緒に使う気はないよ」

縄張り性攻撃行動:自分の縄張りを守る必要があると感じた時も、唸りますよね。これは不法侵入しかかっている相手に知らせたいと思っているのです。「ねえ、ここはあなたの場所じゃないでしょ」

痛み:けがや病気の痛みのために、唸り声をあげることがあります。また、痛みと関連づけられた人や物に対しても、唸ることがあります。病気の治療をしてくれた獣医師や動物病院は、しばしば犬から嫌われますよね。「痛いおよぉ」「痛いのは嫌だよぉ」「私を傷つけるのはやめてくれたまえ」

犬の唸り声について知っておくべきこと

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image by Ted Van Pelt / Flickr

・唸り声は正常な犬の正常な反応

唸り声は、飼い主にとって嫌なものではありますが、ありがたいものでもあるのです。なんの前触れもなく誰彼構わず噛み付くくらいなら、「この状況が続いたら、私ダメになっちゃう。噛んじゃうかもしれないわよ!」と教えてくれた方がよっぽど良いですよね。

不安や恐怖を小出しにせず、一直線に「噛み」に繋がる犬は、認知機能などに問題を抱えていることが疑われます。不安を引き起こす対象があるときに唸り声をあげることができるなら、あなたの犬は健康で正常です。

・罰によって”唸らない犬”にするのは危険

唸り声をあげる犬には、そうしなければならない理由があります。表面化している症状(この場合は唸り声)だけを罰によって止めて根本の原因を無視するのは、「警告なしで噛む犬」を生み出そうとする行為にほかなりません。

・恐怖の克服は時間がかかる

不安や恐怖の克服は、簡単にすぐできるものではありません。唸り声をあげているその時に、犬に解決できるものでもないのです(高所恐怖症の人も、蛇が苦手な人も、すぐには解決できませんよね)。唸りの対象がその場にあるとわかったら、とにかく離れることが大切です。対策はその場でではなく、あとでゆっくり考えましょう。

・唸りは必ずしも噛む予兆ではない

噛む予兆でない唸り声もあります。飼い主との引っ張りっこ遊びや、ほかの犬との健全な遊びのセッションの時に、興奮のあまり声が出てしまうのです。他の攻撃の兆候を示していない限り、楽しく盛り上がっているのなら悪い兆候ではありません。攻撃的な行動(噛んだり、突進されたり)があったら、遊びは終了しなければまりません。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] 5 Steps to Deal With Dog Growling | Whole Dog Journal
[2] 4 Things You Should Know About Dog Growling

【犬語翻訳家】唸る、吠える、クンクン鳴く〜犬の’声’からわかること | the WOOF イヌメディア

「言ってくれないと、わからないよ〜」 意思疎通が上手にできない時、愛犬に話しかけてしまうことはありませんか? もし、彼らが言葉を持っていれば、意図するところの理解は簡単。

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