大好きなオモチャなのに、四肢を引きさき内臓まで取り出しちゃう我が愛犬。愛ゆえに傷つけてしまうのか、あるいは内なる野生がひょっこり顔をあげたのか?
今日は「犬はなぜオモチャを破壊するのか」という謎に迫ります。
なぜ犬はオモチャを破壊するのか?
・犬は退屈しているから
犬種や年齢に関わらず、全ての犬は運動や精神的な刺激が必要です。彼らのエネルギーが外に発散されないと、そのパワーはオモチャたちへと向かいます。いつもは力を加減してオモチャをハムハムする犬が、ある日突然完膚無きまでに打ちのめした場合は、遊びや運動、頭を使う訓練が十分かどうか確認してみると良いでしょう。
・犬は不安に襲われているから
不安(分離不安)に襲われるている犬は、オモチャに限らず破壊的な行動をします。破壊の対象がオモチャに限らず、様々なものに広がっているときは注意が必要です。愛犬が分離不安のような症状に苦しんでいると思われる場合は、獣医師あるいはプロのトレーナーに相談しましょう。
・オモチャの選択が間違っているから
お留守番のお供として与えたぬいぐるみが八つ裂きにされていた…という時は、もしかしたら選んだオモチャが間違っているのかもしれません。ぬいぐるみは可愛らしく、犬たちの枕になってくれるものですが、噛む力への耐性は低く、犬に好奇心を満たすものでもありません。硬めの噛み噛みオモチャや、オヤツを入れる形のオモチャなら、犬は八つ裂きにするのではなく一緒に遊んでくれるでしょう。
・まだ子犬だから
子犬は噛むことが一つの大事な仕事です。歯の生え変わり時期はムズムズして、その辺にあるもの全てを噛むものです。強度が確保されていないオモチャだと、バラバラ死体になってしまうこともあり得ます。
・獲物を捕まえたくなったから
愛犬がどんなに可愛らしく従順であったとしても、彼らの内には祖先から引き継いだ野生が潜んでいます。獲物の羽のようにフワフワした噛みごこちや、叫び声のような高音域の音がしたら、犬の中の野生が目を覚まし荒れ狂うというわけです。これらの行動や欲求は自然なものですから、これを無理に抑えつけるというよりは、別の方法で発散させてあげた方が良いでしょう。まずは安全なオモチャを選んで与えること、そしてオモチャの殺戮に代わる遊び(取ってこいや引っ張りっこ)を奨励すること、遊びの時間(興奮の時間)を他の時間としっかり切り分けることが必要です。
・飼い主が破壊行為を教えたから
オモチャ殺害容疑で取り押さえた時のあなたの行動をみて、犬は「イイコトをした」と思ったのかもしれません。破壊行為を見ても、驚いたり大声をあげたりして犬を喜ばせないことが大切で、そのためには喜ばしくない行為への反応を「無視(無反応)」に統一することが大事です。
・破壊行為はとにかく楽しいから
「オモチャの破壊はとにかく楽しいんだ!それ以外に理由が必要なの?」
オモチャ破壊犬に関して知っておくべきこと
犬のオモチャ遊びが少々乱暴なのは、悪いことではありません。噛んだり引き裂いたり、鳴き声に興奮するのは犬の本能で、彼らは口を使った活動で刺激と快感を受けています。愛犬がソファの脚でなくオモチャを噛み噛みしていたら、それは賞賛に値する行為です。
とはいえ、オモチャの内臓を引き出すほどの完全な破壊となると、放置するのは得策ではありません。引き裂かれ一口サイズになったオモチャを飲み込むと、腸閉塞や窒息を起こす恐れがあるからです。破壊の可能性があるオモチャでの遊びは、留守番のときに容認すべきではありません。
「頑丈だ」と謳われるオモチャであっても、その強さは永遠に続くものではありません。犬が遊ぶことで強度は失われていくでしょう。遊ぶ前に、不安な部分がないか、十分な強度を保っているかを常に確認するようにしましょう。
お口が丈夫なタフなワンコの飼い主さんは、すでにたくさんのオモチャに大枚をはたいているかもしれません。オモチャの寿命を伸ばすアイディアは、一つのオモチャを連続して使わないということです。まぁそれでも、大型のヤンチャワンコには通用しないかもしれませんが。
愛犬の個性に合ったオモチャを選びましょう。愛らしいチワワが可愛いぬいぐるみだけを欲しているとは限りません。時には彼らのガウガウ欲を満たす硬めのオモチャを与えて見ましょう(硬すぎるオモチャは歯が欠ける原因になりますので、それはそれで注意です)。
不要な破壊行為を抑える有効な方法は、破壊対象にアクセスさせないことです。噛んで欲しくないものを片付けることや、限定された空間(ケージ、ドア閉め、クレート)での留守番などは効果的です。
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