犬は言葉を理解するのか?という質問をしたならば、飼い主さんの多くは「イエス!」と答えてくれるような気がします。そのくらい犬たちは「ゴハン」や「オヤツ」など嬉しい言葉に狂喜乱舞し、「チュウシャ」などの恐ろしい言葉に尻尾を下げてみせるのです。
これまでに記録された中で、もっとも多くの言語能力を持つと言われているの犬は、ボーダー・コリーのチェイサーでしょう。人間の三歳児に相当する約1000個の単語を理解していたと言われています。心理学者であり犬の研究者でもあるコレン氏は著書の中で「犬の学習能力が、人間の二歳児から三歳児の知能のあたりをウロウロしているらしい」と記述しています。
最新の脳研究は、犬の脳は人間の脳と極めて似たような反応をすること、すなわち言語刺激を受けた犬の脳は意味を左脳で理解し、トーンを右脳で理解することを示しています。これまでは、言語を理解しているのか、トーンやボディ・ランゲージなどのコミュニケーション信号を読み取っているか、識別はできないとされていたのですが、fMRIによる計測により、犬は意味とトーンを統合して理解しているようだということがわかったのです。
研究からは、犬が完全に(=私たち人間が理解するように)言葉を理解していると言うことはできません。とはいえ、犬たちは、私たちが伝えようとすることを必死で理解しようとしていること、そして脳もその働きをしているということは、どうやら間違いがないようです。
さて、前置きが長くなりましたが動画のワンコさん。イングリッシュ・ブルドッグのチャブス(Chubbs)は大のピンボール好き。飼い主さんに「ピンボールしたい?」と聞かれると、「あったりめぇよ」と言わんばかりに目的地へ向けて疾走。地下室に到着すると、特等席の一人掛けソファに飛び乗って(その体格で、よく飛び乗れるなぁ)、勢い良く飛び出すボールやらキラキラ光る照明やらを夢中で見つめるのでした。
さて、チャブスはピンボールという言葉を覚えたから反応したのでしょうか。あるいは、飼い主さんのさりげないサインを読み取っているのでしょうか。どちらが正解かはわかりませんが、犬は楽しいことや好きなことなら、簡単に記憶ができちゃう生き物なのですね。
Featured image credit English bulldog loves pinball / YouTube
犬は’本当に’あなたの言葉を理解している〜言葉の意味を左脳で理解(研究) | the WOOF
犬たちは、どうやら 本当に あなたの言うことをわかっているようです。 犬たちは私たちが発する言葉を、意味とイントネーションを統合して理解しているとハンガリーの科学者が発表しました。論文(”Neural mechanisms for lexical processing in dogs.”)は、9月2日付の科学雑誌 Science に掲載されます。 image credit : Borbála