犬が食べると毒になるものリスト2015(米ASPCA)〜第1位は人間用市販薬

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アメリカ動物虐待防止協会(ASPCA: The American Society for the Prevention of Cruelty to Animals)は3月3日、”犬が食べると毒になるものリスト(the Top Pet Toxins of 2015″を発表しました。

2015年に寄せられた相談件数のランキング

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これ、食べるから image by Krista Piper / Flickr

このリストは、ASPCAの内部組織であるアニマル・ポイズン・コントロール・センター(APCC: Animal Poison Control Center)に寄せられた相談を、件数の多い順に並べたもので、毎年この時期に発表されているものです。

APCCは、犬にとって毒になるものに関する情報提供や、飼い主などを対象にした電話によるコンサルテーション(1件につき65ドル)サービスを提供する機関。2015年には18万を超える事案を扱ったそうです。このうち約16%にあたる28,503ケースは、人間用の市販薬に関するものだったそうです。市販薬が第1位となったのは、調査開始以来、初めてのことだそうです。

犬が食べると毒になるものリスト2015

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これ、食べるから image by Ryan Carr / Flickr

それでは、リストを確認してみましょう。

1. 人間用の市販薬(Over-the-counter medications)

自然由来やハーブによる薬・サプリメントも含まれます。28,503ケースを数える市販薬は堂々の第1位。リストには明示されていませんでしたが、他サイトに”人間用に作られた”という表現もあったので、ここでは人間用と記載しておきます。

薬を飲もうとしたら手元が狂って落としてしまう、というのはよくあることです。また、製品によっては良い匂いがするものものもあり、犬たちの興味と食欲に火をつけてしまうのかもしれません。

2. 人間用の処方箋薬(Human prescription medications)

処方箋薬は全体の16%近くを占めるものの、市販薬には及ばず第2位に転落です。人間の薬を犬が飲んだ場合、体格の違いによる効果の差があるほかに、人間が服用した時とは異なる効果が現れる恐れがあります。これは、犬たちが人間と異なる代謝の仕組みを備えていることに、主に起因するそうです。安易に人間の薬を与えるのは、絶対にNGです。

処方箋薬と分けている理由として考えられるのが、米国だと処方箋薬は、いわゆる”チャイルド・プルーフ(幼児が開けにくいような工夫が凝らされた)”の容器に入れられて患者さんの手に渡ります。一方、市販薬は日本と同様にパックされたものがほどんどで、市販薬の方がいたずらされやすいのでしょう。

3. 殺虫剤(Insecticides)

殺虫剤に関する相談は15,000件以上(約9%)に及ぶそうです。ラベルに、ペットに関する注意(使用の可/不可)が明示されていなかったら、使用を控える方が賢明のようです。

4. 人間の食べ物(Human foods)

犬たちは、かなりの種類の人間の食べ物を食べること(消化)ができますが、猫はそれほど多くの種類を食べることはできません。また、玉ねぎ、にんにく、ぶどう、レーズン、アルコール、キシリトールは、いずれの種にも毒になります。人間の食べ物に関する電話の件数は、14,600件超あったそうです。

5. 家庭にある商品(Household items)

掃除や工作などに使う製品に関する相談も、全体の7%程度を占めました。掃除、洗濯、食器洗い用洗剤、ペンキや糊やボンドなど、人間からすると「なぜそんなものを口にするんだ!」と思うものを、犬たちは躊躇なく食べてしまうことがあります。

ペットが口にしても大丈夫な商品を選択する、作業の間は別の場所で待機させるなど、ペットの安全を守る工夫に力を注ぐしかないようですね。

6. 動物用薬(Veterinary medications)

薬自体が悪いというより、服用量を守らない、飲むタイミングが間違っている、古い薬を飲ませる、検査をせずに飲ませるなど、適切な服用を行わなかったために起こる事案です。また、ペットが飲みやすいようにと味や匂いに工夫を凝らした薬について、ペットが好んで食べるようになり大量摂取してしまう事案もあるようです。全体の約7%で第6位。

7. チョコレート(Chocolate)

ようやくここでチョコレートの登場。第4位の人間の食べ物に含まれず、単独でのランキング入りを果たすあたりが王者の風格を感じます。食べる量が少なければ生死に関わるものではないのですが、チョコに含まれるカカオはやはり、犬たちの身体に悪影響を及ぼすものです。ならすと、1日の30件ほどの相談はチョコレートに関するものだそうです。

8. 植物(Plants)

見落としがちなものですが、犬たちが口にすると毒になる草木というものが存在します。お散歩コースに生えている草木も気になりますが、部屋に置くような観葉植物についても危ないものは存在します。事前に確認しておきましょう!

9. 殺鼠剤(Rodenticides)

ネズミを殺すなら犬にも毒になるでしょうね。8100ものケースが、APCCに寄せられたそうです。ネズミを惹きつける匂いなどが、犬たちをも惹きつけるのかもしれません。

10. ガーデニング用製品(Lawn and garden products) 

ガーデニングに使用する除草剤や殺菌剤なども、かなり危険な製品です。いかにも危険そうなので、きっと飼い主さんだって心配りをしているだろうに、それでも3%を占めてトップ10入り。豊かな芝が自慢の素敵なお庭がある家庭では、十分な注意が必要ですね。

Featured image from Lissoff Works / Shutterstock

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