【イヌニュース】”テロリスト犬”の飼い主、銀行での支払い差し止められる(米国)

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the WOOF専属ライター犬、ライチがお届けする世界の犬ニュース。今日はアメリカから、ドッグ・ウォーカーへの支払いを差し止められた犬の飼い主さんのお話。メモに書いてあった犬の名前が、テロ組織の名称によく似ていたことから取引を止められてしまったのです。

”テロリスト(犬)”への資金の流れは阻止された

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今年3月、米サンフランシスコに住むフランシスさん(Bruce Francis)は、オンライン・バンキングを利用してドッグ・ウォーカーに374ドル支払い手続きを行いました。筋ジストロフィーを患うフランシスさんにとって、介助犬としての仕事をしてくれる愛犬ダッシュ(Dash)の存在は非常に大事なもの。ダッシュの健康を支えてくれるドッグ・ウォーカーへの支払いも、とてもとても大切なものだったようです。

過去数年、何度も行っているように、フランシスさんは支払い手続きを行います。いつも通り。だから’何かが起こる’なんていうことは、想像もしていなかったでしょうね。しかしその10日後フランシスさんは、担当のドッグ・ウォーカーから連絡を受けることになります。「お支払いがまだのようです」

フランシスさんはすぐに口座をチェック。取引は差し止めになっており、「”DASH”というメモの意味を説明してください」というアラート出ています。どうやら財務省によるレビュー対象に指定されたようなのです(!)。驚いたフランシスさんは、米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Asset Control:OFAC)に電話して事情を説明。先方から、愛犬の名前’Dash’が’Daesh’に似ていることが支払いの差し止めの理由であると伝えられたそうです。

「面倒だったけど、テロ防止のための活動なら支持する」

‘Daesh’とは、アラビア語でISIL(イラク・レバントのイスラム国)を意味するDawlat al-Islamiyah f’al-Iraq wa al-Shamの頭文字をとった語[1]であり、’イスラム国’などに代わって使われている呼称です。比較的新しい言葉であり知名度は低く、また誤って発音されることも少なくはないようです。ダーイシュと発音するようですが、ダッシュと(誤って)発音されるといったことです。

介助犬の資格も持つ9歳のピットブル・ミックスからすれば、非常に不名誉な誤りかもしれませんね。ちなみにフランシスさんによれば、ダッシュが起こすテロ行為と言えば「ローストチキンに対するものくらい」だそうです。

この少し過剰とも言える”検閲”に対し、フランシスさんは「すごい。最も愉快なテロリストを阻止できた」と辛口のコメントを述べています。しかし一方で、銀行がテロ対策のために取引等の確認を行ったことや、法律に従ってこれを行ったことは十分に理解をし支持を表明しています。「テロリストやテロへの資金供給などを阻止するため必要なことなら、やろうじゃないか。私やドッグ・ウォーカーは面倒だけど、そのくらいのコストは受け持つよ」


テロリストに間違われてしまったダッシュは、ちょっとショックだったかもしれないね。気を落とさずにこれからも、フランシスさんを支えていってほしいなぁと思います。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Daeshとは – 新語時事用語辞典 Weblio辞書
[2] Terrorism concerns: Chase Bank stops dog owner’s check over pet’s suspicious name – Story | KTVU

Screen capture from Terrorism concerns: Chase Bank stops dog owner’s check over pet’s suspicious name – Story | KTVU

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