【イヌニュース】”博士号をもつ”犬、人間の医学系学術誌の編集委員に抜擢される

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the WOOF専属ライター犬、ライチがお届けする世界の犬ニュース。今日はオーストラリアのパースから、賢い犬が7つの医学系学術誌の編集委員に抜擢されたニュースです。現在は一つの雑誌から、腫瘍に関する研究論文の査読を求めらているということです。


オーストラリアに住むオリビア・ドール博士は、優れた業績を持つ研究者。薬物濫用から呼吸器疾患の治療薬に至る、7つの異なる分野の医学系学術雑誌の編集委員に名を連ね、1つの雑誌では副編集長をも務めています。

並外れた実績を持つ博士は、容姿も行動も人並み外れています。毛むくじゃらで尻尾があり、散歩や鳥を追いかけることが趣味。好きなことはお腹ナデナデです。

そう、博士は犬。茶色の毛並みが美しい5歳のスタッフォードシャー・ブル・テリアなのです。

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Dr Olivia Doll image by The Perth dog that’s probably smarter than you | Perth Now

オリーの飼い主で、Curtin大学の公衆衛生分野の研究者であるダウべ教授(Mike Daube)は、偽の(あるいは質が悪い)学術雑誌への注目を喚起するために、「犬に編集委員へ応募させる」ことを思いつきました。学術誌側が査読者(論文を審査する人)や編集者を本当に審査しているか、どのように審査しているかをテストしようとしたのです。

研究者にとって、学術誌に論文を掲載することは最も重要な業績です。しかし多くの分野では、専門領域のエキスパートたる査読者の評価があって初めて研究業績として認められるのであり、ただ載るだけでは意味がありません。ですからトップジャーナルと呼ばれる学術誌では、常に真摯に懸命に良い査読者を探しています。一方、掲載料目当ての”偽ジャーナル”は、査読者の選定も適当にしか行われないのです(オリーがそれを証明しました!)ダウベ博士は、「新興国の若い研究者は、こうしたもの(偽ジャーナル)に惑わされている」と説明します。「彼らは論文の送り先を、真っ当なジャーナルだと信じている。そして掲載料を請求されるんだ」

ダウべ教授によってオリーは、かつては保護犬に関する研究を行う施設のアソシエイトであり、現在は獣医学部での講師を務めるというキャリアを設定されました。ちなみにオリーは元保護犬でしたので、要素だけを取り上げるならば、経歴の全てが嘘だというわけではなかったということになります。

ちなみに博士の写真として使われたのは、メガネをかけたカイリー・ミノーグさん(オーストラリア出身の歌手兼女優)。また、ドール博士の研究上の関心は「中型犬の腹部マッサージの利点」や「老齢男性の精神的健康を促進するための家庭犬の役割」にあると明記していました。それにもかかわらず、怪しいと思う人はいなかったようだとダウべ博士は言います。

”偽ジャーナル”は、過去数年で大きく増加しています。MJA InSightは、偽ジャーナルの数は中国やインドを中心に約1万存在すると伝えています。掲載料の問題だけでなく、主要なデータが不正に盗まれて掲載されるという問題も指摘されています。

中には数千ドルの掲載料を要求することもある”偽ジャーナル”問題。さらに注目が集まり、若い研究者からの搾取が減ることを願います。

ところでオリーの経歴詐称は問題にならないのでしょうか?このことに関して毛むくじゃらのオリビア・ドール博士は、コメントすることを拒否したそうです。

h/t to The Perth dog that’s probably smarter than you | Perth Now

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