こんにちは。東京の読書犬、パグのぐりです!
皆さん、本、読んでますか〜? このコーナーでは、小説やノンフィクション作品だけでなく、写真集や絵本なども紹介しています。今回は初登場、「漫画」です。
犬好きには手放せない作品
犬、漫画ときたら、これははずせない!そう、『動物のお医者さん』(佐々木倫子著 白泉社文庫)です。
獣医を目指すハムテルこと西根公輝と、その先輩や友人たち、教授たちによって繰り広げられる、物語集です。犬好きさんには手放せない一冊ですよね。
顔は恐いけど心優しいハスキー犬
高校生のハムテルは、H大学受験予定。入学前にこの大学の漆原教授から押し付けられたような(?)感じで、一匹のシベリアン・ハスキーを飼うことに。これがチョビと名付けられた女の子です。ハスキーなので、身体はとても大きいのですが、気は優しく、おっとりしている彼女。初対面の人は、顔が恐めで身体が大きいからか一瞬ひるんだりもするけれど、少し接してみると、みんな穏やかな彼女のことを好きになります。
ハムテルはお祖母さんと一緒に住んでいるのですが、そこにはヒヨちゃんという立派な白色レグホン(ニワトリさん)と、ミケというお祖母さんの飼い猫が同居しています。ミケはわりと厳しい猫ですが、先輩としてチョビの相手もしてくれたり、してくれなかったり・・・(笑)。犬と、他の動物たちとの絡みも、この漫画の見どころの一つとなっています。
さて、ハムテルは友人の二階堂と共にH大学に入学。2年からは獣医学部に進みます。そこからは大学の友人、清原が飼っている平九郎という犬(たぶん雑種犬かな?)や、菱沼先輩という、優秀なんだけれどもどこか天然な女性の飼い猫(と菱沼さんは思っている)のフクちゃんなどがよく登場します。その後、ハムテルは漆原教授の研究室に入るので、動物病院で多くの患畜にも出会います。もちろんシリアスな場面もありますが、どの物語もほぼ、ハッピーエンドになっているのも読んでいて安心できますよ。
犬以外の動物にも注目!
この漫画が世の中に出たころ、獣医学部を目指したいと思う人が増えたと記憶しています。確かに、そう思わせてしまうほど、登場人物も登場動物も、みんなひと癖ふた癖ありながらとっても魅力的なんですよね。犬、猫、鳥、だけでなく、牛、馬、カンガルー(!)、モモンガ、などなど。「えー!こんな子たちまで?!」とびっくりするような動物たちも出てきます。
僕の飼い主さんは、仕事で何か落ち込んだり、疲れて元気チャージがしたいときなんかに、本棚からおもむろにこの漫画を全巻出してきて枕元におき、寝る前に「グフフフ」と笑いながら読んでいますよ。それで、たくさん寝て、次の日にはまた元気になっているみたい。そんな漫画が身近にあると、いいですよね。
ちなみに、今回ご紹介した文庫版には、各巻末に面白い解説がついています。本編に加え、こちらもおすすめです。