犬もサクランボの実を食べることはできますが、葉や種や花を与えてはなりません。甘みがあるため犬にとっては嬉しいオヤツになりますが、それ以上にトラブルを引き起こす可能性が大きく、特に与える必要はありません。
サクランボを与えるべきでない3つの理由
サクランボは、実の部分を少量与える分には犬にも安全な食べ物です。しかし、以下の3つの理由から、犬に与えることはおすすめしません。
- 種、葉、茎及び未成熟な実に含まれる成分により、シアン化物中毒と同様の症状を生じる可能性がある[1]
- 糖分が多く、胃腸の不快感や肥満などの原因になる
- 茎や種が喉や消化器に詰まり腸閉塞を引き起こす恐れがある
サクランボの主成分はブドウ糖(糖質)で、この他にカリウム、鉄、リンといったミネラルやカロチン、ビタミンB1、B2、Cなどの栄養素が含まれています。しかし、犬に与えるほどの少量では、健康への効果は期待できません。犬用に加工されたオヤツの方が、安全で健康的で犬も美味しく食べられます。
サクランボに含まれる”毒”
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サクランボは、バラ科サクラ属サクラ亜属の果樹の果実です。バラ科植物のウメ、アンズ(アプリコット)、ビワ、モモ及びサクランボ 等の種子の中にある仁には、「アミグダリン(別名:ビタミン B17、レトリル)」というシ アン配糖体が含まれているため、摂取するとシアン化物中毒と同様の症状を生じる可能性があります[2]。なお、シアン化物中毒の臨床兆候は、粘膜が赤みを帯びる、瞳孔散大、呼吸困難、パンティング、ショック症状などです。
サクランボには、ソルビトールという糖アルコールの一種が含まれています。ソルビトールは保水性向上や水分活性低下作用が期待できるので、添加物としてソフトモイストやセミモイストフードに使用されることもあります。
添加物として使用されているくらいですから、犬がソルビトールを少々口にしても問題は起こらないでしょう。ただし、小腸からの吸収が悪くエネルギー源になりにくいうえ、下痢を引き起こす恐れがあるものですから、与える場合でもほんの少量にとどめた方が安全です。
犬がサクランボを食べちゃった!どうしたらいい?
「目を離したすきに、サクランボを種ごと食べちゃった!」という時も、1個くらいなら大丈夫。しかし、複数個食べたことがわかっている時は、早めに獣医師に相談することをオススメします。
腸閉塞の症状は、12〜24時間内にいつでも現れる可能性があります。嘔吐、食欲減退、便秘、便が出にくいなどがあります。
複数個食べた場合は、シアン化物中毒の可能性を考えなければなりません。上記の中毒症状がでる前であっても、予備的措置として獣医師に電話しアドバイスを受けておきましょう。
緊急を要する症状は、血液を含む下痢、嗜眠、衰弱です。場合によっては生命を脅かすこともありますし、それがサクランボのせいでないとしても緊急事態であることに変わりはありません。種が腸管に入り込んでしまった場合は、手術によって取り除かなければならないでしょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Cherry | ASPCA
[2] 国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部 食品安全情報(化学物質)No. 25/ 2013(2013. 12. 11)
バナナ〜効率良いエネルギー源。でもカロリーは高め | the WOOF イヌメディア
甘くて素早くエネルギーになるバナナ。アレルギーがない限りは、犬にとっても美味しいオヤツです。しかしカロリーが高いので、食べ過ぎには注意が必要です。