魚は、タンパク質およびミネラルが豊富な犬の健康応援食品。代替のタンパク質源として、市販のドッグフードにも含まれています。オメガ3脂肪酸が豊富に含まれ、炎症を抑えるなどの健康上の利点があります。

犬が魚を食べることのメリット

魚は、良質なタンパク質源です。白身魚は消化吸収がしやすく、カロリーも低めです。消化器系に過度の負担をかけることなく良質なタンパク質を得られるのが最大の利点です。

また、魚にはビタミンやミネラルも豊富です。被毛の輝きが増すなどの嬉しい利点もあります。

さらに注目は、魚介類の脂肪に含まれる不飽和脂肪酸の存在です。特に、オメガ3（n-3）系多価不飽和脂肪酸であるエイコサペンタエン酸（EPA）やドコサヘキサエン酸（DHA）は、犬の健康に良い影響を与えることが期待されています。

EPAとDHAは、どちらも共に犬の体の中では合成することができず、食物から摂取する必要のある必須脂肪酸です。DPAとDHAは、皮膚や被毛を健康に保ち、炎症の抑制やアレルギー軽減に効果があると言われています。魚が牛・鶏肉の代替タンパク源としてアレルギーワンコ用のフードに使用されるのはこのためです。

必須脂肪酸は細胞膜や神経細胞の構成成分であることから、動脈硬化や認知機能に対する働きもあるのではないかと期待されています。

犬に与えても良い魚って、どんな魚？

ドッグフードに使用されることの多いのは、比較的寿命が短い魚だと言われます。長生きの魚は、身体に水銀のような重金属が蓄積することがあることがその理由のようです。特にマグロは水銀濃度が高いことが知られており、気になるなら避けた方が良いでしょう。ちなみに魚は大きいほど寿命が長く、小さい魚は短い傾向にあります（犬とは逆ですね）。

貝や甲殻類は、一概には言えませんが、中毒や細菌の懸念があること、また硬いものは消化に負担がかかるものが多いため、無理に与える必要はありません。与える場合は最新の情報を入手し、また獣医師に確認するなど注意を払うようにしましょう。

品質の悪いもの、または養殖されたものは、毒素レベルが高いことが懸念されます。原産地や購入先が信頼できるところであるか、今一度確認しましょう。

どのように与えたらいいの？

お刺身用の魚なら、サケを除いては、生で与えても大丈夫です。ただし寄生虫の心配はありますから、気になるなら調理済みのものを与えるようにしましょう。サケは未調理で食べたときに食中毒になる恐れがあるため、必ず調理をしてから与えましょう。

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お刺身用以外の魚は、調理して与えた方が安全です。茹でたら茹で汁ごと与えると、水分補給にも役立ちます。蒸したり焼いたりしてもOKですが、調味料やバター、あるいは大量の油の使用はNGです。

魚の骨は、小さく脆く、口、喉、胃、および腸などに突き刺さったり、臓器の壁を突き破ったりします。小さな魚の骨は特に、しっかり取り除いてから与えましょう。

魚は概ねカロリーが低く、ダイエットワンコの強い味方になりますが、脂肪分の多い魚はその限りではありません。どんなものでも食べ過ぎは、肥満や胃腸の不快感に繋がります。

魚を連続して与えるときでも、2週間以上継続するのは良くありません。魚は犬の健康を応援する素晴らしい食品ですが、一つの食品に偏ることは栄養バランスを崩すことにもなりかねません。ライフステージに合った、犬の栄養ニーズを満たす食事になっているか常に注意を払うようにしましょう。

魚は、アレルギー犬用のフードの原材料として使われることが多い食材ですが、個体によっては魚に含まれるタンパク質にアレルギー反応を起こすことがあります。初めて与えるときは少量からスタートし、犬の様子を確認するようにしましょう。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Eat Fish? – American Kennel Club
[2] Can Dogs Eat Seafood?
[3] Can Dogs Eat Fish & Tuna Fish? | petMD

Featured image creditCasey Elise Christopher/ shutterstock