ドレッシングやソースに香りをつけたり、盛り付けのワンポイントとして加えるなど、人間の食事には様々な目的でハーブが使用されています。
もし愛犬が長い舌を突き出して、ハーブをペロリとしてしまったら、どんな影響があるのでしょうか?
ペパーミント
ペパーミントは犬にとって有毒ではありません。ただし、吐き気や下痢のような胃の不快感を引き起こすことがありますし、大量に食べた場合は肝臓や腎臓の問題を引き起こす可能性があります。少々口にしたからといって問題はないと思われますが、ペパーミントにチョコレートやキシリトール入りのクリームなどがついている場合は、少量でも健康リスクがあるので要注意です。
ペパーミントは消化器系の問題や関節炎を緩和する効果があると言われていますが、これを示す科学的根拠は十分ではありません。放射線防護効果があることも示されており、化学療法を受けた犬の放射線誘発性疾患および死亡率の低減に有用であるという説もありますが、これもまた根拠が十分ではありません[1]。
オレガノ
オレガノには強い毒性はありませんが、嘔吐や下痢を引き起こす可能性があり[2]、稀に深刻な副作用(オレガノ中毒)を引き起こすことがあります。ただ、全ての犬にこうした反応があるわけではなく、ほとんどの犬は何の問題もなく少量のオレガノを食べることができます。
オレガノは高レベルに抗酸化物質が含まれており(りんごの40倍を超える)、不要な代謝老廃物(フリーラジカル)を破壊するために役立つと言われています。こうした健康上の利点を享受したいのなら、まずは獣医師に相談すること、そしてオイルやサプリメントといった加工オレガノの導入を検討しましょう。
ローズマリー
ローズマリーは犬への毒性はなく、ほとんどの形態(植物、チンキ、お茶、オイル)において安全に使用することができます[3]。このハーブには鉄、カルシウム、ビタミンB6が多く含まれており、抗酸化物質としても作用することが知られています(犬用食品の防腐剤として使用されることもある)。少量で利用すると健康に有益であると言われる一方で、過剰な使用はアレルギー反応を起こすリスクを高めます。病気の犬(発作などがある犬)や妊娠中の犬への使用はNGです。
バジル
犬はバジルの葉をを問題なく食べることができます。バジルには強い抗酸化、抗ウィルス、抗菌特性を有しており、健康上の利点は大きいと言われます。また、高濃度のβ-カロフィレンが含まれており、関節炎を含む炎症を緩和させることが知られています。 このほか、ストレスを減らし、不安を減らすといった精神面のサポートにも役立つと言われます。
与える際は、他の植物・野菜と同様の注意を払うことが大切です。大量に与えると消化器系の問題を起こす可能性がありますし、犬によってはアレルギーを起こすこともあります。
新鮮なバジルを刻むか、あるいは乾燥させたものを用いで、いつものフードにちょっぴりトッピングしてあげると良いでしょう。犬にいつもと異なる様子がみられたら、与えるのをストップしましょう。
パセリ
パセリは、少量では犬の健康に良い影響を及ぼすハーブです。注意しなければならないのが、スプリングパセリ(Cymopterus watsonii)というパセリに似たニンジンの一種で、これを食べると中毒症状(皮膚関連の問題)を引き起こす可能性があります。これ以外は概ね安全と言われますが、ASPCAでは毒性ありとしている[4]ため、中毒の可能性もゼロではありません。妊娠中の犬には与えないようにしましょう。
パセリにはフラボノイド、抗酸化物質、タンパク質や繊維、ビタミンが豊富なスーパーフードとして知られています。抗菌や抗炎症作用があり、口臭、炎症、細菌の増殖、消化器系などの問題の改善が期待できます。
新鮮なパセリを細かく刻んで、フードにかけるなどして与えましょう。初めて与える場合は少量で試して、問題がなければときどき適量を与えても良いでしょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Herbs That Are Good For Dogs | Modern Dog magazine
[2] Oregano | ASPCA
[3] Wulff, M. L., & Tilford, G. L. (2011). Herbs for Pets: The Natural Way to Enhance Your Pet’s Life. i5 Publishing.
[4] Parsley | ASPCA
Featured image creditguidocava/ shutterstock
ナッツ類〜わざわざ与える必要はない、避けるべき食べ物 | the WOOF イヌメディア
ビタミンやカルシウム、繊維も豊富なナッツ類。含まれる脂質も体にいいものが多く、美容感度の高い女性(人間)に人気の食べ物です。 しかし犬にとっては、ナッツ類は避けるべき食べ物です。全てが健康に害を及ぼすものではありませんが、与える場合には特別な注意が必要なので、わざわざ与える必要はありません。