柔らかくて甘くてジューシーな桃は、犬にも嬉しい夏フルーツ。出回るのは6月から9月ごろまで、7月ごろが出荷のピークです。
アレルギーのない犬なら、柔らかい果肉は与えても問題ありませんが、茎、葉、種子は絶対に与えてはなりません。
桃に含まれる栄養素
桃の主成分は果糖です。食べ過ぎは中性脂肪の蓄積を招き、肥満の元となりますが、活動に必要な重要なエネルギー源であることも確かです。
この他、カリウムやマグネシウム、食物繊維の良い供給源です。カリウムには、体内の過剰な塩分を排泄し、血液を下げる効果があります。食物繊維には、腸の働きを正常の正常化に役立つほか、余分な脂肪の吸収を抑える効果も期待できます。
桃にも栄養分は含まれていますが、犬の健康に悪影響を及ぼさないほどの少量を与える場合には、栄養上の利点はほとんどありません。愛犬への嬉しくて美味しいご褒美としての価値の方が高い果物です。
どのくらいの量を、どのように与えればいいの?
ほとんどの市販の果物は、農薬や防腐剤で処理されています。犬に与える場合、またはあなたが食べる場合には、丁寧に洗うようにしましょう。
皮を剥き、茎、葉、種子は取り除いて、柔らかい黄橙色の果肉の部分を与えましょう。甘さに惹かれて飲み込んでしまう犬は少なくないので、一口大にカットしてちょっとだけ与えるようにしましょう。
犬は肉食に近い雑食動物ですが、彼らは食事の一部として果物を必要する訳ではありません。特別なご褒美フルーツとして、ほんのちょっぴり、ちょっぴりですよ!
注意すべきはどんなこと?
糖度が高いので与えすぎに注意しましょう。桃の主成分である果糖(フルクトース)は、肝臓で代謝され消費されますが、このときに余分なものは中性脂肪やグリコーゲンに変換されます。すなわち、とりすぎは脂肪になりますし、中性脂肪血症などを引き起こす恐れもあるということです。
犬の中には果糖に不耐である個体もあります(下痢や嘔吐、悪心など)。また健康的な犬でも、与えすぎると下痢や嘔吐の原因になります。求められるままに与えないようにしましょう。ちょっぴり、ちょっぴり!
缶詰または保存された桃は、絶対に与えないようにしましょう。多量の砂糖と防腐剤、あるいは人工甘味料を含んでおり、下痢や気分悪さの原因となります。
茎、葉、種子にはシアン化物が含まれています。通常は、一つを誤って食べてしまった程度では、犬の健康に悪影響を及ぼすことはありません。しかし、シアン化物は累積して作用する可能性があるため、何度も口にすることがないよう注意を払わなければなりません。シアン化物中毒の症状には、粘膜に赤み、瞳孔が開く、呼吸困難、激しいパンティング、ショック症状などがあります[2]。
桃の種は、犬が喉や消化管に詰まらせるのにちょうど良い大きさです。飲み込むと種の表面が小腸を刺激し、腸炎や閉塞を引き起こす恐れがあります。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Eat Peaches? – American Kennel Club
[2] Peach | ASPCA
Featured image creditVitor Fontes/ unsplash
パイナップル〜栄養価豊富なデザート、ただし少量に抑えよう | the WOOF イヌメディア
南国気分に浸らせてくれる甘い果物、パイナップル。適切に少量を与えるぶんには、犬にとっても安全なオヤツになります。