にんじん〜病気や老化予防の強い味方、栄養吸収のためには調理済みがオススメ

食・フード
この記事をシェアする

あると便利な常備野菜のにんじんは、犬にとっても病気や老化予防の強い味方になる優秀な食材。生でも煮ても炒めても栄養素が壊れず、日常的に与えてもOK。飼い主さんにも嬉しいお野菜です。

犬もにんじんを食べていいの?

1732 1 thewoof

image by Jonathan Pielmayer / unsplash

にんじんは、犬にとっても安全な食べ物です。多くの人気のカリカリ(ドライフード)やウェットフードには、にんじんが含まれています。

にんじんは犬にとって美味しいオヤツになるだけでなく、適度な硬さの噛むご褒美としても、歯の健康を改善するための食材としても大活躍します。子犬の歯の生え変わりの時期の不快感を和らげる方法として、にんじんを噛むことを推奨する獣医師もいます[1]

ビタミン、ミネラル、抗酸化物質などの栄養素が高い一方でカロリーや脂肪は少ないため、ダイエットお助けフードとしても活躍します。実際、UC Davis School of Veterinary MedicineのCompanion Animal Behaviour Programのマニュアルには、にんじんは低カロリーオヤツの代用品として使用できる旨の記載があるそうです[2]

にんじんに含まれる栄養素

1732 3 thewoof

image by Robert Occhialini / Flickr

にんじんは、抗酸化物質であるα-カロテンとβ-カロテンが非常に多く含まれています。βカロテンは身体の中でビタミンA(レチノイド)の一種であるレチナールに分解され、肝臓や体脂肪に蓄えられます。ビタミンAは、健康な免疫システムを維持し、肌を健康に保ち、良好な視力を促進するために重要で、欠乏すると夜盲症、眼球乾燥症、皮膚障害などの原因となります。

ビタミンAが目の問題を予防・改善するからといって、にんじんを薬として使用することはできません。2014年のScientific Americanの記事によれば、「ほとんどの眼の問題は、遺伝学、老化、または糖尿病などベータカロチンの注入では助けられない問題によって引き起こされる視覚障害に起因する」とのこと。目の問題の改善効果を期待してにんじんを大量摂取するのは良い考えとはいえません。ビタミンAの過剰摂取は、骨の奇形や皮膚の角質化、食欲不振、体重減少などを引き起こします。また犬は他の動物と比較して、ビタミンA中毒にかかりやすいと言われています[3]

この他、にんじんには多くのビタミンKとビタミンB6が含まれています。ビタミンKは血液凝固に不可欠であり、ビタミンB6は炭水化物、脂肪およびタンパク質をエネルギーに変換します。

またにんじんには多くの繊維が含まれており、犬の健康な消化と排便を助けます。

どのくらいの量を、どのように与えればいいの?

1732 4 thewoof

image by Michael Budde / Flickr

にんじんは、日常的に与えても大丈夫な食材です。5kgのコで20g程度が1日に与える目安です。ただし、初めて食べさせるときは、犬の様子や便の調子を確認しながら少しずつ与えることは忘れずに。また健康上の懸念があるコの場合は、事前に獣医師に確認してから与えましょう。

生でも、焼いても茹でても炒めても、栄養が摂れるのがにんじんの良いところ。生でもOKですが、調理をするか擦り下ろして与えた方が栄養の吸収は良くなります。調理することによりにんじんの丈夫な細胞壁が分解されるため、栄養素をより良く吸収することができるのです。

歯の健康のために生で与える場合でも、噛みやすいような形にカットして与えましょう。消化を助けや窒息のリスクを避けることに繋がります。

皮ごと与えたり調理をしても問題はありません。その場合は汚れや化学物質などを落とすよう丁寧に洗いましょう。

注意すべきはどんなこと?

1732 2 thewoof

image by Dave B / Flickr

にんじんは繊維の多いですから、食べ過ぎには注意です。消化不良による胃の不調や下痢を引き起こします。

調理の際には、バターや塩コショウなどで味付けしないように注意してください。栄養を引き出すため、良質なオイルで炒めるのはオススメですが、過剰な脂肪は有益ではありません。また、調理済みを与える場合は、しっかりと冷ましてから与えましょう。

食べ物を噛まずに飲み込む傾向の強いコや、子犬などは特に、窒息に配慮して小さくカットしたニンジンを与えるようにしましょう。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Can Dogs Eat Carrots? – American Kennel Club
[2] Are Carrots Good for Dogs? | PetHelpful
[3] ペット栄養管理学テキストブック(2014)日本ペット栄養学会, アドスリー

Featured image credit Kozub Vasyl / Shutterstock

卵〜犬のカラダを作る完全栄養食。ただし与え方には注意が必要 | the WOOF イヌメディア

卵は、体を作るのに必要な栄養素のほとんどが含まれる食べ物。調理済みの卵は、犬にとっての優れたオヤツであり、健康補助食品でもあります。 黄身も白身も殻もウズラも、茹でてもスクランブルでもOKの活用範囲の広い卵。ただし、白身の与え方や生食には注意事項がいくつかあります。

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌを育てる > 食・フード > にんじん〜病気や老化予防の強い味方、栄養吸収のためには調理済みがオススメ

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ