愛犬にお留守番をさせる時、寂しいと訴えかける目にノックアウトされ、後ろ髪が抜けまくってる蛙原ですこんにちは。
寂しがり屋で賑やかなことが大好きな我が子。どうやったら楽しくお留守番をしてもらえるんだろ。ゲームでもしててくれないかな、テレビでも見ていてくれないかな…、ってよく思います。
テレビ。
そういえば、’テレビを観る犬’っていますよね。あのコたちの目には、一体どんな映像が映っているのでしょうか。そもそも、犬ってテレビを観て楽しむことができるんですかね。
と思った私、「犬とテレビ」について調べてみました。the WOOFは割とこの話題が好きで、前にも『犬もテレビを見ているの？』という記事を配信していますんで、併せてどうぞ。
テレビっ子の犬は存在する
Featured image credit Krissa Corbett Cavouras / Flickr
ちょっと古いものですが、2004年にAmerican Kennel ClubとThe Iams Companyが共同で行った調査によれば、調査対象の飼い主1086人のうち、50％が「うちのコ、テレビ観ます」と回答したそうです。リリースには「テレビと言うより、飼い主との時間を楽しんでいるのかもしれない」と断り書きがありましたが、それでも「なんとなく映像を眺めていように見える」犬は多く存在するようです。
視聴スタイルは、人間ぽいコとそうでないコがいるようです。飼い主さんと一緒にカウチでリラックスしてぼんやり視聴というコもいれば、画面に近寄ったり、離れてみたり、飼い主に寄り添ったり、文句を言ってみたりとせわしなく動き回るアクティブな視聴犬もいます。一人でテレビの前に陣取るコには、このタイプが多いようです。
もちろん、見えているものも異なります。犬の視覚が人間のそれと異なることは、皆さんご存知のとおり。大きく異なるのは、色の見え方と暗闇での見え方。ヒトの多くは3種類の錐体細胞を持つ三色型視覚ですが、犬は二色型色覚であるため、赤や緑を上手に識別することができません。ざっくり言うと赤は非常に暗いグレー、オレンジー緑は黄色っぽい色、青や紫は青っぽい色に見えるのです。一方で、暗いところでも物の識別が可能な犬には、画面の明るさは大きな魅力にはならないようです[2]。犬を惹きつける番組を作りたければ、色の使い方に注意をすべきなのかもしれません。
さらに、犬の目は人間よりも早く画像を感知するそうです。犬のためのテレビチャンネルDOGTVは、1秒に表示されるコマ数を多くして、その魅力を高めています（犬に対して）。
犬が楽しんでいるかは、今のところ謎である
Hudson watching #britainsfavouritedogs with interest… pic.twitter.com/Fi2a4idX4J
— Steph O'Hara (@stephohara) 2016年6月29日
犬たちが実際にテレビを楽しんでいるのかは、さらなる調査が必要…。そう語るのは、セントラル・ランカシャー大学の博士課程に籍を置くIlyena Hirskyj-Douglasさん。犬とコンピュータのインタラクションが専門分野で、”Is My Dog Watching TV?”なるペーパーを発表しています。The Conversationへの寄稿の中で「犬たちがテレビに親しみ、好む番組を持つことは、先行研究により示されています。一方で、彼らが本当に楽しんでいるのかは、わかっていません。私たち人間は、苦痛や怒り、そして恐怖などの様々な感情を喚起するような映像をみるものですが、そうした映像が必ずしも私たちに心地よさを与えるとは限りません。似たようなことが、犬たちを’観る’行動に駆り立てているのかもしれない）」と述べています。
面白いから観ているのかもしれないし、怖いもの観たさで眺めているのかもしれない。何が彼らを駆り立てるのかは、わかっていないということです。「怖いけど見たい！」と肉球の隙間からそっと眺めているのなら、お留守番のお供には不向きなのかもしれませんね。
ちなみに我が家の愛犬は、テレビの映像には全く興味がない模様。リアル世界に関心がありすぎて、バーチャルな世界にまで好奇心が及ばないご様子です。テレビ好きなら追っかけも少なくなって楽かしら…と思う一方、それはそれでちょっと寂しいかも…とも思います。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Survey: Dogs and TV Go Together
[2] Kasparson, A. A., Badridze, J., & Maximov, V. V. (2013). Colour cues proved to be more informative for dogs than brightness. Proceedings of the Royal Society of London B: Biological Sciences, 280(1766), 20131356.
Featured image credit Dennis Cox / Shutterstock
肉球を押しつけないで〜DOGTVはなぜ、世界中で受け入れられたのか？ | the WOOF
犬のための専門テレビ局が存在することは、先日お伝えしたとおり。 その名も DOGTV。しかもその人気はうなぎ上りで、先日は中国全土での配信を目指すという 発表 もありました。すごすぎるぞ。
