【犬語翻訳家】なぜ犬は前脚をあげるのか〜可愛い仕草が示す不安と期待

生態・行動
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首を傾げて前脚をヒョイとあげる。玄関先で動きを止めて、前脚をフワフワ浮かせる。様々な局面で犬たちが見せる「お手」っぽい行動は、期待、不安、恐れや警戒を表すボディ・ランゲージです。

前脚上げは、これを前後関係や背景状況などと共に解釈しなければなりません。

1. 期待

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オヤツ、くれるの? image by Takashi Hososhima / Flickr

何かを期待している犬は、前脚をあげることでその気持ちを表現します。ごちそうを前に立ち止まり前足をフワリとしたり、他のワンコに出会ったときにプレイバウと共に前脚をチョイと上げるなどは、いずれも期待の表れです。

これと似たものに「要求」がありますが、これはどちらかといえば「前脚でチョイチョイすれば、飼い主さんがいうことを聞いてくれる」と学習した結果だと考えた方が良いでしょう。ワガママに発展する前に、「チョイチョイしてもうまく行かない」ということを教える(すなわち無視する)ことをお勧めします。

2. 不安

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ちょっと不安… image by Jason Kositarut / Flickr

不安を感じている犬も、前脚を持ち上げる姿勢をとります。状況や他の身体の部位を見ると、’期待’との違いが明らかにわかるはずです。耳が後ろに下がる、尻尾が下がる、クジラ目(白目が見えている)、下顎が下がるなどと同時に前脚が上がっていれば、犬は不安を感じているはずです。

不安を感じた犬は、前脚を隠すこともあります。クレートや家具などの陰に隠れて伏せの姿勢を取り、同時に前脚を隠しているようなら、強い不安や恐怖を感じているかも知れません。無理に手を出したりすると噛まれる恐れもありますので、注意が必要です。

3. 警戒

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セ、センパイ… image by Alan / Flickr

目上(年齢が上の、堂々とした、体格の良いなど)の犬と対峙したときに犬が前脚をあげていたら、その犬は相手を強く警戒しているのかもしれません。目線を合わせず、体の側面を見せているときは、警戒しつつ「自分は敵ではない」ことを示していると考えても良いでしょう。


可愛らしい前脚をあげる仕草が「期待」を表しているのなら良いですが、不安や恐怖、ストレスを表すものであれば注意が必要です。「あ、可愛い」にとどまらず、真の原因を見つけてあげられると、愛犬との繋がりがさらに強いものになりますよ。

Featured image credit Frank D. Lospalluto / Flickr

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