馴染みのオモチャと新しいそれとを並べたとき、犬は新しいものを好むことが研究からわかっています。さらに、この後に行われた研究では、一旦オモチャに精通してしまった後は、そのオモチャへの興味を失うこともわかっています。
新しモノ好きな贅沢ワンコたちを喜ばせるために、私たちは「古物を興味あるオモチャに変身させる」という魔法を使わなければなりません。
犬にも”新しいものを好む傾向(ネオフィリア)”がある
2008年、ドイツのギーセン大学とイギリスのリンカーン大学の研究者らは、犬が既知のモノより新奇のモノを好むかを実験により調査し、論文として発表しました[1]。17匹の犬に対し、2種類の既知のオモチャと1個の新奇のオモチャを並べて提示したとき、どのように行動するかを確認したのです。実験では50回の試行が行われ、うち38回について犬は新奇のオモチャを選択し、匂いを嗅ぐか拾い上げる行動をとったということです。
ただ、新しいモノであることだけが、犬の好みを決定づけるものではないことを、飼い主さんなら知っているでしょう。一度は新しいモノに心を奪われたとしても、古くからある大好きオモチャに戻っていく犬は少なくはないはずです。
新しいだけだと飽きてしまう…ということは、2012年に行われた実験で明らかになっています[2]。16匹のラブラドール(遊び好きのラブラドール!)を対象とした実験により、犬たちは30秒間の遊びを5回繰り返すと、そのオモチャに対する興味を失っていくというのです。
犬の「大好きオモチャ」ってどんなもの?〜犬の関心がどう続くのかを英研究で振り返る | the WOOF
古いオモチャを新しくする
愛犬を喜ばせるために新しいオモチャを用意してあげるのはもちろん良いことですが、古いオモチャを活用して愛犬のウキウキ気分を盛り上げることは不可能ではありません。
1. ローテーションを変える
たくさんのオモチャを肉球の届くところに置かず、目の届かないところに仕舞っておきましょう。何日かごとにおもちゃを交換して驚きと感動をプレゼントしましょう。
2. ニオイを変える
オモチャに草や土、食べ物のニオイをつけましょう。この時、人工的な芳香剤などを使わないように注意しましょう。アロマについても、犬が苦手とするものも存在しますので、安全性について確認してから行いましょう。定期的に清潔にすることも忘れずに。
3. 一緒に遊ぶ
もっとも楽しくて刺激的なオモチャは、飼い主さん、アナタです!噛ませることを目的に作られたオモチャであっても、飼い主さんの一工夫で探知犬トレーニングの道具に早変わりです。たくさん褒めてあげたり、オヤツを与えたりしつつ、愛犬のお楽しみ気分を高めてあげましょう。
あなたの愛犬が大好きなオモチャは、どんなものですか?一緒に遊ぶときにどんな工夫をしていますか?素敵な愛犬とのストーリーをシェアしてください。hello@woofoo.jpまたはSNSで#inulogをつけて投稿してください。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Kaulfuß, P., & Mills, D. S. (2008). Neophilia in domestic dogs (Canis familiaris) and its implication for studies of dog cognition. Animal cognition, 11(3), 553-556.
[2] Pullen, A. J., Merrill, R. J., & Bradshaw, J. W. (2012). Habituation and dishabituation during object play in kennel-housed dogs. Animal cognition, 15(6), 1143-1150.
Featured image credit alexei_tm / Shutterstock
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