なぜ犬の毛は抜けるのか〜大量に抜けるのは病気のせい?

お世話・グルーミング
この記事をシェアする

ほとんどすべての犬において、毛が抜けるのは普通のこと。健康な犬でも季節によっては、ごっそり抜けることがあります。

犬の毛はなぜ抜ける?

2297 2 thewoof

image by Jan Truter / Flickr

犬の毛も人間の毛と同じで、常に成長しています。毛は、成長期を終えると毛細細胞の分裂がとまり、自然と毛は抜け落ちます。

自然な生え変わりにおける毛の抜ける量は、品種、解剖学的構造、生理機能、および遺伝的性質により異なります。体型や体格、被毛の長さは、毛の抜ける量には関係はありません。たとえば毛が短いタイプでも、ごっそりと毛が抜ける犬はたくさんいます。

ライフサイクル終了と季節に応じた脱毛は、健康な犬で自然に起こるものです。このほかに犬は、病気やストレスなどにより脱毛することがあります。いつもの量よりも、明らかに多量な抜け毛がある場合は、なんらかの心配すべき要素が絡んでいるかもしれません。

季節による脱毛(換毛)

犬の被毛は体温をコントロールし、太陽やその他の環境要因から皮膚を保護する役割を担っています。

犬によっては季節によって、毛を”脱ぎ着”することで身体を守る犬もいます。ダブルコートの犬(二重毛=被毛がオーバーコートとアンダーコートの二重構造になっている)は、アンダーコートを”衣替え”することで、上手に季節にアジャストしています。すなわち彼らはアンダーコートを、春には”冬用”から”夏用”に変え、秋になると”夏用”から”冬用”に生え変わらせるのです。

アンダーコートの生えかわりは、一般には「換毛期」と呼ばれます。春は2月から7月ごろまで、秋は9月から11月ごろまでが一般的なピークですが、品種によっても、その年の気候によっても、生活環境によっても異なります。

心配すべきはどんなとき?

yuki the shiba inuさん(@whatsyukidoing)がシェアした投稿

大量に脱毛する場合は、これが健康上の問題に起因することがあります。

どのくらいが正常でどのくらいが異常かは、品種によっても異なるため一様には言えません。秋田、柴、ジャーマン・シェパード、ラブラドール・レトリバー、コーギー、シベリアン・ハスキーなどは、健康でも驚くほどごっそり抜けるのが普通です。ですから、飼い主が自分の犬について、季節ごとの変化をよく観察するしかありません。例年より明らかに多い場合、換毛期以外にごっそり抜けた場合など、なにか変化があった場合は、獣医師に相談しましょう。

犬の脱毛量に影響を与える要因としては、以下のようなものが考えられます。

  • 病気:特定の皮膚疾患や免疫疾患、癌などは、脱毛および脱毛症につながる可能性があります
  • 寄生虫や感染症:ノミ、シラミまたはダニのような寄生虫、白癬、皮膚炎および特定の種類の真菌感染症は皮膚症状を引き起こし、重度の場合は脱毛につながります
  • アレルギー:特定の食品、医薬品、家庭用洗剤およびお手入れ用品は、犬のアレルギー反応を引き起こすことがあります。脱毛箇所の皮膚に赤み、かゆみ、腫れがある場合もあります
  • ホルモンの不均衡:。甲状腺疾患や副腎の欠損によるホルモンの不均衡は、進行性の脱毛を引き起こし得ます
  • 外傷:外傷による脱毛は、犬が傷ついた箇所を舐め続ける結果として起こります
  • ストレス:ストレスや不安に悩む犬は、脱毛しやすい傾向にあります
  • 妊娠と授乳:子犬のためにカルシウム、ミネラル、エネルギーを使い果たした産後の母犬は、大量に脱毛することがあります

健康な犬の自然な脱毛を止めることはできませんが、病気やストレスなどによる脱毛は治療することで改善することができます。

自然な脱毛に関しても、毎日の丁寧なブラッシングや栄養状態の改善によって、上手に管理することができます。獣医師やプロのグルーマー、さらにはグッズなどの助けを借りれば、抜け毛の多い犬との生活はかなり楽になります。

Featured image creditCaroline Gagné/ Flickr

【夏のお世話】ダブルコートの犬、剃るべからず〜剃らない方が良い3つの理由 | the WOOF イヌメディア

暑くなると勃発するのが、ダブルコートの犬の被毛を「剃るべきか、剃らざるべきか」論争。暖かい空気を閉じ込めるアンダーコート(下毛)は断熱材のような役割を果たすため、暑い夏には「不必要」でという意見があるのです。 …

the WOOF イヌメディア > すべての記事 > イヌを育てる > お世話・グルーミング > なぜ犬の毛は抜けるのか〜大量に抜けるのは病気のせい?

暮らしに役立つイヌ情報が満載の「theWOOFニュースレター」を今すぐ無料購読しよう!

もっと見る
ページトップへ