その暖かさが心も溶かす〜日本では滅多にお目にかかれない寒さに強い10の犬種

犬種
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寒さに強いと思われがちな犬ですが、寒さへの耐性は犬種によって異なります。チワワのような小型犬なら、防寒対策なくお外に放り出すのはNGですが、寒い地域出身の犬たちは、驚くほど寒さに強いものです。

今日は、寒さに強いワンコの特集です。たくさんのワンコたちの中から、思わず抱きしめたくなっちゃう容貌を持つ、日本ではあまりお目にかかることができない犬種を厳選しました。

可愛いワンコたちの笑顔で、気持ちだけでも暖かくなってくださいね〜。

キースホンド(Keeshond)

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image by Terri Brown / Flickr

典型的なスピッツと言われるキースホンドは、巻き上がった尻尾、立ち耳、ずんぐりした体、そして厚い被毛に覆われているワンコ。元々は荷船犬としてネズミの退治や荷の見張り、警備や水路案内(!)まで、様々な仕事をこなしてきた犬種です。このキャリアが性質に影響しているのか比較的狭いところにも慣れているそうで、現在は都会での伴侶犬や番犬としてみんなに愛されています。ただ、しょっちゅう吠えるという欠点があるので、しつけはしっかりとしなければなりません。

アメリカン・エスキモー・ドッグ(American Eskimo Dog)

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image by Alex and Sonja / Flickr

名前からして寒さに強そうなアメリカン・エスキモー・ドッグ。エスキモーのために使役した犬なのかと思えばそうではなく、コンパニオン・ドッグとして選択改良されたワンコです。保湿性が高く密集したアンダーコートと、直毛のガードヘアで構成される二重の被毛が、寒さに強い理由のひとつ[1]。カラーは白かクリーム色だから、雪の中だと見失ってしまいそうですね。体高に応じてスタンダード、ミニチュア、トイと分かれるところは、日本でも人気のプードルと同じです。

チャウチャウ(Chow Chow)

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By Swivelchair – http://vintageprintable.swivelchairmedia.com/animal/animal-dogs-all-kinds/

大阪だと、「チャウチャウ、ちゃうんちゃう?」とか言うのだろうか?当たり前ですが、この大阪弁(?)とは全く関係のない犬です。「チャウ」という言葉も、多様な小荷物術てっを総称するビジン英語から由来したという説と、広東語の食用を意味する言葉から来ているという説があります[2]。昔の中国では重要な食料源だったチャウチャウですが、一方で中国皇帝や英国のビクトリア女王に愛された犬という側面も持っており、エピソードには事欠かないようです。

カラカハン・ドッグ(Karakachan Dog)

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By Edal Anton LefterovOwn work, CC BY-SA 3.0

プーチン大統領とのラブラブツーショットで有名になったのがこの犬種。白く厚いコートを持ち、頭部と胴体に黒っぽいマーキングがあるワンコです。家畜をオオカミから守る番犬として重用された犬で、たった2頭で300頭の羊を守ることができると言われています[2]。オオカミが狩猟や毒殺によって激減し、一時は絶滅の危機に瀕した犬種ですが、現在では「オオカミもカラカハン・ドッグも、どちらも存続できるように」という環境保護団体の後押しを受け、存続の努力が続けられているそうです。

サモエド(Samoyed)

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image by Alison and Fil / Flickr

雪のようにフカフカで美しいサモエドは、北極地方でトナカイ猟や群れの管理に用いられていたワンコ。その頃から家族のペットとして扱われてきたせいか、飼い主さんとの触れ合いを強く求めるところもあるようです。また、被毛のお手入れには十分な時間の確保が必要ですし、訓練にも適応しづらいところがあるそうです。愛情をたくさん注ぐことのできる人だけが、この美しい犬と家族になることができるのかもしれません。

クパーズ(Kuvasz)

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By Erdelyi kopo – self made (Erdelyi kopo), Public Domain, $3

白くて厚い被毛を持つクーヴァースは、羊の群れを外敵から守るワンコさん。白い被毛は、夜間に活動する時に目に止まりやすいように品質改良で固定されてできたそう。見た目も得意な仕事もそっくりな、タトラ・マウンテン・シープドッグとスロバキアン・シェパード・ドッグという近縁種がいます。一説にはトルコ語の「Kawasz(武装した警備兵)」が名前の由来とされる犬で、忠誠心が強く、飼い主を守ろうと熱心すぎるほど熱心に働きます。

ニューファンドランド(Newfoundland)

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image by Alicja / Flickr

もっとの優しい性質をした犬種の一つ[2]で、子供に対しても忍耐強く優しく接してくれる犬。厚い被毛は黒一色が一般的ですが、こげ茶色や白黒パターンの被毛を持つコもいます。泳ぎが得意で、海洋上での使役に適していることがわかってからは選択的交配により脚の水かきやコートの油気が増してきたそう。家庭犬として定着した後でも、水の中にいる人を発見すると、その人が望むと望まないとに関わらず救助してしまうというジョークがあるほど救助犬として有名です。

コモンドール(Komondor)

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By Kari ja Leena – “From owners”, CC BY-SA 3.0, $3

ザッカーバーグ家の愛犬として注目を浴びた犬種ですね。立ってる姿も伏せをしている姿もモップそのもののユニークな容姿(毛質)が人気の理由の一つでしょう。もっとも密生したコートは、冬の寒さだけでなく、夏の酷暑からもオオカミの牙からも、犬の体を守ります。見かけは面白かわいいのですが、「人に好かれようとは思ってません!」という態度を見せる、ちょっと頑固なワンコさん。一方で羊には特別な愛着を持っており、必要とあらば命を投げ出すという「羊ラブ犬」なのだそうです。

チベタン・テリア(Tibetan Terrier)

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image by localpups / Flickr

チベットの僧侶たちの間で愛玩用に、そして番犬として活躍していたのがこのワンコ。一見、シャギーコートのテリアに似ているため、気性も適正もテリアと異なるにもかかわらず、チベタン・テリアという名が定着してしまったのだとか。欧米では家庭犬として愛されている犬ですが、チベットの田舎では元々のお仕事である「羊追い」に従事しているコもいるそうです。

ピレニアン・マウンテンドッグ(Pyrenean Mountain Dog)

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By HeartSpoonOwn work, CC BY-SA 3.0, $3

滑舌の悪い人だと「え?ピラニア?」と聞き返されてしまいそうなお名前。またの名はグレート・ピレニーズ。フランスの王室犬に定められていたこともありました。体高65〜81cmという大型の番犬で、「動く雪の吹きだまり」と表現されることがあるそうです[2]。ピレネー山脈地方(フランスとスペインの国境)で家畜を害獣から守る仕事していましたが、19世紀に害獣がほとんど姿を消したことから失業。一時は絶滅の危機に瀕していましたが、その姿の美しさからドックショーで人気を博し、現在は欧米(特にフランス)で家庭犬として定着しています。

◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] ブルースフォーグル, & 福山英也. (2002). 新犬種大図鑑. ペットライフ社.
[2] デズモンドモリス, & 大木卓(監修). (2007). デズモンド・モリスの犬種辞典. 誠文堂新光社.
[3] The 20 Best Cold-Weather Dog Breeds | Outside Online

Featured image from Jaromir Chalabala / Shutterstock

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