スペインの犬たちに朗報です。スペインの首都マドリードで、犬たちに地下鉄への乗車が許されることとなりました(2016年2月より)。欧州の中では「ドッグアンフレンドリーな都市」という印象が強いマドリードが、犬たちに公共交通機関利用の門戸をひらいた形になります。
犬たちの乗車条件を大幅に緩和したマドリード
マドリードではこれまでも、一定の条件を満たした犬は地下鉄に乗車することができました。例えば盲導犬やケージに入れられた小型犬といった犬たちです。日本の現状と変わりはありませんが、ドイツやフランスなどと比較すると、かなり厳しい条件が課されていた印象があります。
今回、マドリード地下鉄が行ったのは、この条件を大幅に緩和するということ。口輪をはめた50cm以下のリードをつけた犬ならば、混み合った時間(7:30~9:30, 14:00~16:00, 18:00~20:00)を除き、飼い主さんと一緒に最後尾の車両にタダで乗ることができます。休日には時間の制限はなく、サポートドッグはこれまで同様に乗車OK。ただし、あらかじめ市への登録は必要なようです。
ちょっと面倒なところはありますが、大型犬のオーナーさんが2つ先の駅にお買い物♪なんて時もワンコを同伴することはできそうで、飼い主さんや動物好きの方には嬉しい決定だったようです。
「アレルギーは?」「糞尿の始末は!」という声も
とはいえ、万人に受け入れられたわけではなく、地元紙のコメント欄や活動家のFacebookには沢山の賛否のコメントが寄せられました。例えば、この活動を推進してきた政治家Cristina CifuentesさんのFacebookポストには、投稿後すぐに600以上のコメントが殺到したとのこと。
🐕 Los perros podrán acceder a toda la red de Metro de Madrid. Junto a la Ley de Sacrificio Cero, damos un paso más en nuestras políticas de protección animal. #PerrosEnMetro.
Posted by Cristina Cifuentes on 2016年2月9日
コメントの中心はアレルギーに対する懸念で、「犬アレルギーもちは、喘息発作を恐れて地下鉄の利用をやめなければいけないのか」「犬が利用しない時間だとしても、犬の毛があちこちに飛び散っているよね」と言った内容が多く見られます。そして次に多いのが、犬の排泄についての懸念で、「もし、たくさん人が乗っている車両で犬がオシッコをしたらどうするの?」「ちゃんと糞を拾ってくれるの?」というコメントが並んでいるそうです(スペイン語を英語訳したものを参照しました)。
もちろん、ネガティブなコメントばかりではなく、この決定を歓迎するコメントもあるようです。「だったら(人間の)吐瀉物はどうなの?」とか「(人間が食べた)ひまわりの種が飛び散っているのはどうなの?」などの、人間だってだらしがないじゃないというコメントもあるとのこと(中には「人間アレルギーの犬はどうするんだ?」というものもある)。ただし、現在のところは眉をひそめる人の動きが際立っているようで、道はかなり険しそう。
どんな問題でも一歩踏み出すのは大変なもの。ワンコたちには良き犬市民ぶりを発揮しもらって、マドリードの人間市民にで歓迎されるようになってほしいと祈るばかりです。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] Madrid Metro Welcomes Dogs With Open Arms, Draws Howls Of Protest
Featured image from PongMoji / Shutterstock
世界イヌ紀行〜お国が違えばワンコさんの生活も違うのよ♪ アメリカと中南米を巡ってみよう | the WOOF
「他の国のワンコさんって、どんな生活をしているんだろう?」 そんな疑問を持つこと、ありませんか? Webに掲載された記事や写真などを見ると、きっとバラエティに富んだ暮らし方をしているんだろうなぁなどと、想像しちゃいます。