イヌが飼い主のことを舐めるのは、愛情表現の一つであるとも言われています。幸せそうにべ〜ロベロする犬の姿を見ていると、「ヤメテ」とは言いづらいもの。でも、お顔をベロベロさせるのは本当に止めた方が良いようです。
ウィルス学及び細菌学の権威であるジョン・オクスフォード教授は、どんなに清潔に見える犬でも絶対に顔を舐めさせることはないと語り、その内容が話題になっています。
愛と一緒にカンピロバクターも受け取っているかも
オクスフォード教授は、「唾液だけではない。犬たちは殆どの時間を汚い場所に鼻を突っ込み、落し物の周りをうろついているもの。だからマズルにはバクテリア、ウィルス、たくさんの微生物で溢れかえっている」とThe Hippocratic Postに語りました。
ワンコのキスが危険であることは、多くの飼い主さんがご承知のことだと思います。しかし、今回の記事内に登場した固有名詞は、大腸菌、サルモネラ、カンピロバクターなど、どれもトップクラスの健康被害をもたらすもの。ゆえにその内容が、衝撃をもって迎えられたというわけです。
お腹を壊す原因菌〜大腸菌、サルモネラ、カンピロバクター
サルモネラやカンピロバクターといった病原体を保菌している犬は、糞を通して菌を他の個体に感染させます。サルモネラは食中毒の原因となることで知られていますが、カンピロバクターも同じくに食中毒の原因となる細菌です。厚生労働省によれば、2015年のカンピロバクター食中毒の発生件数は318件(患者数2,089人)。我が国で発生している食中毒の中で、近年、発生件数が最も多いものだそうです。
犬たちの半数はこのカンピロバクターを保菌していると記事は伝えています。そして幸か不幸か、多くの犬達にお腹を壊すなどの症状が出ることはありません。「しかし人間は、保菌動物と接した後に衛生的手洗いなどを行わなければ、病気になってしまいます」とオクスフォード教授はコメントしています。
大腸菌も、無症候性キャリアの犬は多いといいます。犬には症状が出ませんが、人間には下痢や嘔吐、脱水症状を引き起こすことは、皆さんご存知のとおりです。そして大腸菌については犬から人に移すケースもある一方、人間が犬に移してしまうこともあるそうです。しかも薬の効かない耐性菌を、犬に移してしまうケースも見られるということです。
白癬や寄生虫など、あれやこれや
お腹を壊すような菌だけではありません。犬たちは白癬(皮膚感染症)などを引き起こす菌も持ってます。唾液による菌移ではなく、保菌犬に触れるだけで感染することもあるそうです。タケダ健康サイトによれば、白癬菌の中には、犬や猫などの動物の毛を好んで寄生するものもいて、水虫に感染したペットを抱くことにより、感染することがあり、感染した場合は顔や首、腕などに強い赤みとかゆみがあらわれるとのこと。ヒェ〜、怖い。
また、何らかの拍子に寄生虫の卵を飲み込んでしまうことで、回虫をうつされてしまうこともあるといいます。かなりガビーン。
プラトニックな関係を保つ限りは、健康の強い味方でもある
しかし一方で、犬たちが私たちの健康をサポートしてくれている事実もあります。犬を飼っている人は定期的に運動する習慣があり、ストレスが低く、高血圧の予防にもなっていることは、幾つかの調査からわかってきています。また、人生のはじめの1年をペット動物と過ごした子どもは、アレルギーや喘息にかかりづらいという研究結果も出ています(2014年)。
犬と一緒に暮らす以上、スキンシップやフレンチキスは避けては通れません。そして何より私たち自身が、抱っこしたりナデナデしたりの愛情表現をたくさんしたいものですよね。
犬たちと安全安心に愛を分かち合うため、以下の点には十分注意しましょう。
- お散歩後は犬も飼い主も体を清潔にーーワンコのカラダもしっかり拭いて
- 犬と人間のものは完全に分けるーー食器やタオル、お洋服も
- 飼い主さんは”衛生的手洗い”を
- ウンチ拾いのスキルを磨こうーー間違っても触ってしまわないような工夫をして
- ノミ・ダニ・フィラリア対策はは毎年、必ず行うこと
- ディープキスは避けることーーちょっとのキスに怒っちゃダメ
- 免疫力が弱っている時は、犬と別々に過ごすこと
若干、衝撃的な犬たちの保菌状況ではありますが、そうだとしてもワンコたちへの愛は変わりませんよね。衛生状態に気をつけて、これからも変わらず素晴らしい関係を築いてください!
h/t to No kissing please! – The Hippocratic Post
Featured image credit Amy Thibodeau / Flickr
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