the WOOF専属ライター犬、ライチがお届けする世界の犬ニュース。今日はイギリスから、献血によって他の犬を救ったロットワイラーのお話です。犬同士が助け合えるって、すごく素敵なことだと思いました。
・ お写真は素敵なロットワイラーのイメージです。クレジットはlocalpupsさん
初めての献血で大役を果たしたベントレー
命の危機に瀕したラブラドールを救ったのは、ロットワイラーのベントレー(Bentley)。イギリスのヨークシャー地方に住む彼は最近、獣医業を支援するVets4Petsの献血ドナープログラムに登録していました。
登録から1週間、ベントレーに緊急の呼び出しがかかります。避妊手術を受けたラブラドール・レトリバーのミリー(Millie)に合併症が現れ、血が止まらなくなったというのです。彼女の命を救うためには、急いで輸血をしなければなりません。急ぎ駆けつけたベントレーに、献血の大役が任されます。緊張のひと時!ですが、彼は非常に落ち着いて、獣医師に身を任せて十分な量の血を供したということです。
命を取り留めたミリーは、順調に回復を果たします。さらに数週間後、元気になったミリーと彼女の騎士ベントレーは初のご対面を果たしました。彼らの心も一つになったように、すっかり仲良しになったということです。「今や2匹は親友同士。お互いをペロペロしたり、一緒に遊んだりしています」とミリーのお母さんは地元紙に語っています。
犬にも献血があるのです〜日本でもドナー募集中
「犬にも献血があるんだ!」と驚いた方もいらっしゃるのでは?はい、あるのです献血。「献血 犬」で検索すると、52万3千件がヒットします(2016年6月現在)。多くの医療センターや病院がドナー動物を求めていることがわかります。
どんな動物なら献血ができるのでしょうか。日本動物高度医療センターが設定している、献血登録できる犬の条件は以下のとおりです。ご参考にまで。条件は、医療センターや病院が独自に設定するものですので、詳細は各院に直接ご確認ください。
- 年齢:1歳から7歳
- 体重:20kg以上(※2)
- 性格:麻酔をかけずに採血可能な温厚な性格
- 健康状態:狂犬病予防接種、混合ワクチン接種およびフィラリア予防が毎年されている健康な犬
※2 体重については別の条件を定めているところもありますが、10kg〜を設定しているところが多いです
登録ができない犬として、(1)過去に輸血を受けたことがある、(2)妊娠・出産したことがある、(3)全身性の感染性皮膚疾患がある、(4)これまでに血液媒介性の感染症に罹患または罹患した疑いがある(バベシア症や犬ブルセラ症など)、(5)秋田犬が挙げられていました。
日本の動物医療においては、いわゆる血液バンクは法的に認められていないため存在しません(2016年6月現在)。このため、多くの動物病院では各々血液を入手しなければならない状況です。
子犬のへやには、ペット輸血のために行なわれている対応は以下の通りであると記されています。
- 動物病院で飼育されている供血猫・供血犬から血を確保する
- 動物病院同士で助け合う
- 医療用の代替血液を用いる
- ボランティアのドナー動物を募る
今回、ベントレーが活躍したのは4番目の方法を通じてです。動物病院が苦手なコや、チクリが大嫌いなコもいる中で、ボランティアを買ってでたベントレーの勇気には本当に頭が下がります。
日本には血液バンクも存在せず、献血登録ができる中大型犬も他国に比べて少ない状況で、動物病院等の方は血液の安定確保に苦慮されているといいます。
ストレスを伴うボランティアですから、やってみて!とは言いにくいけど、もし条件に合致するワンコがいたら、飼い主さんと相談してチャレンジしてみてね。ベントレーのように素敵な出会いがあるかもしれないよ♡
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