「爆弾探しに興味が持てない」〜探知犬候補犬、CIAを解雇される

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世界で活躍するワンコにスポットを当てる【いぬ探訪】。今日は、将来を嘱望された検知犬候補の子犬が、CIAを円満退職したニュースです。


アメリカ中央情報局(CIA:Central Intelligence Agency)は今月18日、爆発物検知犬の候補生ルル(ラブラドール・レトリバー、1歳)の解雇を正式に発表しました。

CIA側は、ルルが爆発物の検出に興味がない兆候を見せたことが解雇の理由だと説明しています。

人間が勉強に身が入らない時があるように、犬も上手くやれる日と調子が出ない日があります。子犬ですから、注意が散漫になることもあるし、コマンドを無視することだってあります。

そんな時、子犬が良い状態に戻れるように手を差し伸べるのが、パートナーでありトレーナーでもあるハンドラーです。犬が集中できない理由を探り、退屈している時は別種の訓練メニューを追加したり、疲れている時は休みを入れたりして訓練に戻れるよう工夫をします。体の調子がよくないために集中できないときは、食事の変更や治療を施します。

子犬たちはハンドラーと二人三脚で不調から脱し、通常は1日か2日で元の訓練に戻るそうです。

しかし、ルルの不調は長く続きました。次第に、爆発物探しそのものに興味が持てない兆候を示し始めたのです。ルルの様子を見たCIAは「たとえ、彼らを食べ物で動機付けることができたとしても、それでは彼女自身が楽しめない」「犬たちの心身の健康が私たちの最大の関心事」として、ルルの解雇を決定しました。

CIAを解雇されたルル。しかしショックを受けている様子はなく、現在は元ハンドラーに引き取られて元気に過ごしているそうです。CIAプログラムを中退した犬のハンドラー(またはその家族)には、その犬の里親になる機会が与えられる嬉しい決まりがあるのだそう。ハリーはその権利を行使し、ルルの里親となったのです。

ルルの新しい仕事は子供たちと遊ぶこと。そして裏庭のリスやウサギを追いかけることであり、毎日の食事を平らげることです。ルルはその仕事を、とても上手にこなしているそうです。

CIAは、「ルルがいなくなったのは本当に残念だが、これは彼女にとって正しい選択だった」とコメントしています。「彼女の新しい犬生に幸多かれと祈ります」


CIAのK9部隊は、アメリカおよび海外の施設やそこで働く職員の安全を守るため、爆発物の脅威と戦っています。爆発物検知犬は6週間の刷り込み訓練ののち、さらに10週間のトレーニング、認定試験を経て任務地に派遣されます。トレーニングの詳細はこちらに公開されていますので、職員になりたい犬はご覧になってください。

Featured image credit The Recruit(s): Learning the Basics — Central Intelligence Agency

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