はちみつは、ビタミン・ミネラルなどの優れた供給源であり、健康な成犬に良いものを少量与えるぶんには安全です。
ただし、子犬や病気で免疫が弱っている犬には与えるべきではありません。
この記事にはこんなことが書いてあるよ!
はちみつの栄養と健康上のメリット
はちみつは、糖(フルクトース、グルコースなど)、有機酸、酵素、ビタミン、ミネラル、アミノ酸、ポリフェノールが含まれる栄養たっぷり食品です。
健康だけど食の細い犬や、一時的な食欲不振などの犬に、素早くエネルギーを補給するために少量をトッピングしたり水に混ぜるなどして与えることができます。
はちみつは人間の民間療法として、喉や咽頭の炎症緩和や、胃潰瘍やアレルギーの治療などに使われてきました。実際、抗菌活性や傷を治す作用、抗酸化力があることを示唆する研究もあり、健康や美容への効果は期待できるようです。犬への健康効果の検証はほとんどありませんが、比較的安全なので少量を使用するのは問題ないと考えられています。
以下に、「効果があると言われていること」をあげます。科学的な根拠は不足しており、治療に代替できるものではないことに注意してください。治療としていの効果を期待して与えたいと考えるなら、必ず獣医師に相談したうえで行いましょう。
- 喉の痛みの緩和(炎症を抑える)
- 関節炎の痛みの緩和
- 季節性アレルギーの症状緩和
- 表在性の創傷の治療
- 肌の赤みや腫れ
犬にはちみつを与える場合のリスク
はちみつには嫌気性菌(ボツリヌス菌)の胞子が含まれている可能性があるため、AKCは「子犬や免疫系に問題のある犬に未加工のはちみつを与えるべきではない」としています。「蜂蜜は糖尿病や肥満の犬に与えてはならない」とのコメントもありますので、シニア犬も控えた方が良いでしょう。
ちなみに、はちみつが発症の原因と考えられているボツリヌス症は「乳児ボツリヌス症」で、これは1歳未満の乳児の消化管内で増殖した菌により産出されたボツリヌス毒素の作用により発症するものです。健康な大人の腸内ではボツリヌス菌は通常増殖しません。なお、国立感染症研究所所のWebには、「ハチミツにボツリヌス芽胞が混入することがあるが、ハチミツ内でボツリヌス菌が増殖することはない」との記載があります。はちみつにはボツリヌス菌の混入の可能性があり、免疫が未発達または損傷している場合には何らかの影響がある可能性は否めません。
動物によっては、蜂そのもの(蜂の匂い)、はちみつ及び蜂蜜由来製品にアレルギーをもつ場合があります。ただしアレルギー反応が起きるのはまれなことのようです。
どのくらいの量をどのように与えたらいいの?
カロリーが高いので、甘味づけ程度にちょっぴり与えるようにしましょう。5kgの犬で小さじ1/4程度が一つの目安。どんなに多くても体重の数字のグラム量(1kgなら1g)を超えないようにしましょう。
水やヨーグルトに加えて、またはカリカリのトッピングとしてちょっと垂らして、ほんのちょびっと与ましょう。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] はちみつの甘さと栄養成分 | はちみつ | 山田養蜂場のみつばち健康科学研究所
[2] ボツリヌス症とは
[3] 食中毒を起こす微生物 ボツリヌス菌|「食品衛生の窓」東京都福祉保健局
[4] Can Dogs Eat Honey? – American Kennel Club
Featured image credit The.Rohit / Flickr
犬に乳製品を与えてもいいの?〜乳糖不耐症やアレルギーのお話 | the WOOF イヌメディア
乳製品は犬の食物不耐の主な原因です。多くの犬は牛乳やヤギの乳を飲むことができますが、乳糖不耐の症状をみせる犬も一定数います。毒になることはありませんが、与えたときに不調がみられる場合は、一旦おやすみした方が良いでしょう。 答えはYesでありNoでもあります。