チョコレートは犬に有毒で、犬のサイズ、およびチョコレートの種類と量によっては下痢や不整脈などの症状が出ることがあります。
誤って少量を食べた程度では、症状が出ないこともありますが、個体の状態によっては過剰に反応したり、時間をおいて具合が悪くなったりすることもあります。
犬がチョコを食べちゃった!何が起こるの?
チョコレートには、犬に有毒なカフェインとテオブロミンが含まれています。これらを大量に摂取すると、6〜12時間で以下のような症状が現れます。
- 嘔吐
- 下痢
- 体温の上昇
- 反射反応の増加
- 筋肉剛性
- 急速な呼吸
- 心拍数の増加
- 低血圧
- 発作
- 高度な徴候(心不全、衰弱、昏睡)
発作がでるか、あるいは症状が重篤になるかは、犬のサイズ、チョコレートの種類、そして量によって異なります。例えば、体重1kgあたり20mgのテオブロミンを摂取すると、犬は多動や下痢、嘔吐などがみられますが、テオブロミンの含有量は種類によって異なります。色の濃いもの(ダークチョコレート)は多く含まれていますし、色の薄いものは少量しか含まれません(ホワイトチョコレートはゼロに近い)。
詳しくは『チョコレート〜たくさん食べると中毒に!犬には与えないのが基本』をご確認ください。
チョコレート〜たくさん食べると中毒に!犬には与えないのが基本 | the WOOF イヌメディア
チョコレート中毒:飼い主にできること
犬がチョコレートを大量に食べたことがわかっているときや、上記のような症状がみられたときは、すぐに動物病院に連絡して、獣医師の指示を仰ぎましょう。この時、犬が食べたチョコレートの種類と量を尋ねられるので、わかる範囲で正確に伝えるようにしましょう。
チョコレートに限らず中毒の症状は、早期に治療すれば予後が良いものです。チョコレート中毒には解毒剤がないので、身体に吸収される前に除去する必要があるのです。治療が遅れると、犬の身体にもあなたのお財布にも大きな打撃を与えるということは、肝に銘じておきましょう。
すでに犬が嘔吐している場合は、食物や水を与えないようにしましょう。チョコレートの毒は、犬の身体に長時間止まります。重症の場合、症状は最大で72時間続きます。すぐに症状が出ないときや、嘔吐や下痢が落ち着いたときも、3日間は注意深く犬を観察しなければなりません。
チョコレート中毒:動物病院で行うこと
前述のとおり、チョコレート中毒には解毒剤がありません。チョコレートを含む食事内容が胃の中に残っており、それが犬に悪影響を及ぼす量なら、身体から除去する必要があります。このために身体検査や血液検査などを行い、身体の中のカフェイン量を判断したのち、催吐処置や活性炭の投与、投薬、または胃洗浄などの治療が行われます。
早い段階で胃の中のチョコレートを除去できれば、摂取量によらず予後は良好です。ただし、犬はテオブロミンの代謝に時間がかかるため、身体に長く止まること可能性があります。3日ほどは注意が必要です。
犬のチョコレート中毒を防ぐために
チョコレートを与えない、誤食させないことが重要です。
犬の優れた嗅覚は、チョコレートの甘い匂いにも敏感です。カフェインとテオブロミンを含む、チョコレート、ココアパウダー、粉末チョコなどは、犬の肉球が届かず、開けることのできない棚や引き出しなどに保管しましょう。
ハロウィン、クリスマス、バレンタイン、そのほかパーティのときなどは、お菓子の置き場所には特に注意を払うようにしましょう。犬にチョコレートやキャンディを与える危険性については家族にも周知し、必ずしまうことを徹底しましょう。
バッグの中にオヤツを忍ばせている人は、バックを放置しないように気をつけましょう。犬は頭を突っ込んだり、前脚を器用に使うなどして、甘いお菓子を引っ張りだすことができます。
◼︎以下の資料を参考に執筆しました。
[1] What to Do if Your Dog Eats Chocolate
Featured image creditMaksim Fesenko/ Flickr